ナナオ、動画や文字を自動判定して超解像処理する23型フルHD液晶「FORIS FS2332」:超解像+IPS+白色LEDで3万9800円
ナナオの「FORIS FS2332」は、独自の超解像技術を搭載した23型フルHD液晶ディスプレイ。人の肌や文字、動画領域を自動判定し、それぞれに最適な処理を行い、表示品質を高める。
ネット動画の視聴に配慮した超解像技術を搭載
ナナオは6月30日、23型フルHD液晶ディスプレイ「FORIS FS2332」を発表した。7月15日に発売する予定。価格はオープン、EIZOダイレクトでの直販価格は3万9800円だ。同社のエンターテインメントブランド「FORIS」(フォリス)のエントリーモデルで、2010年11月に発売された「FORIS FS2331」の後継機となる。
最大の特徴は、同社独自開発の超解像技術「Smart Resolution」(スマート・レゾリューション)を搭載したこと。原画像をリアルタイムに解析し、画像に含まれるノイズ成分やぼやけ量を推定、ノイズの強調を防ぎつつ、ぼやけ具合を適切に補正することで、画像を鮮鋭化する。また、奥行きのある画像の前景と背景にそれぞれ最適な「フォーカス感」を加えて、自然な奥行き感を再現しつつ、超解像によるクリアな映像表現を行う。超解像の強度は5段階に設定可能だ。
また、従来の一般的な超解像技術では、人物の肌や文字、静止画の表示において、輪郭周辺を不自然に強調してしまう弊害も見られたが、Smart Resolutionではこうした弊害を防ぐため、3つの補正技術を搭載。肌エリアを検出して適用範囲から除外し、髪や服に対してのみ超解像処理を施す「肌補正」、テキストコンテンツを自動判別して不要な超解像処理はしない「文字補正」、動画領域のみを自動判別して超解像処理する「動画領域補正」を備えており、それぞれオン/オフを設定できる。動画領域補正は業界初の技術という(2011年6月時点のコンピュータ用カラー液晶ディスプレイにおいて。ナナオ調査)。
IPSパネルと白色LEDバックライトを装備
そのほかの機能面ではFS2331と同様、専用ガンマ設定の「Power Gamma」(コントラスト感を高めるPower1、暗部を見やすくするPower2を用意)、紙の書類や本に近い見え方を再現する「Paper」モード、暗部の表現力を重視した「Cinema」モード、静止画向けの「sRGB」モードなどを搭載。付属の小型カードリモコンでこれらの設定が行える。また、Web動画に適した表示や印刷物との色合わせが可能なカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」にも対応する。
液晶パネルはFS2331のVA方式から、より視野角特性のよいIPS方式(表面ノングレア仕様)に変更。バックライトはCCFL(冷陰極管)から白色LEDに切り替えることで、FS2331に比べて最大消費電力を25%削減しつつ、調光範囲を広げ、約3カンデラ/平方メートルの超低輝度まで画面の明るさを下げられるようになった。
画面解像度は1920×1080ドット、最大輝度は250カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1(コントラスト拡張有効時で1500:1)、応答速度は黒→白→黒で16ms/中間階調域で6ms(オーバードライブ回路搭載)、視野角は垂直/水平でともに178度、最大表示色が約1677万色(約10億6433万色中/10ビットLUT)だ。映像表示までの遅延は1フレーム以下に抑えた(黒枠なしのフルスクリーンの場合)。
映像入力は2系統のHDMI(音声入力共用、PC入力対応)、HDCP対応DVI-D、D-Subを搭載。音声入力はステレオミニ、音声出力はヘッドフォン(ステレオミニ)を備える。出力500ミリワット+500ミリワットのステレオスピーカーも内蔵する。
省電力機能については、周囲の明るさに合わせて輝度を自動調整する「Auto EcoView」を用意。消費電力は最大34ワット、標準20ワット、節電時1ワット以下(D-Subのみ接続、スピーカー非動作時)、待機時0.17ワット(2次電源オフ次)だ。
ボディデザインはFS2331を引き継いでおり、正面に装着するカラーシートを交換できる(レッド、ブルー、グレーのカラーシートが付属)。スタンドは上20度/下5度のチルト調整が可能で、100×100ミリピッチのフリーマウント穴(VESA規格)も備える。本体サイズは549(幅)×212(奥行き)×403(高さ)ミリ、重量は約6.2キロだ。
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