テレビだけじゃない? 自分のための小型テレビを選ぶ(1):本田雅一のTV Style
春といえば新生活シーズンということで、個室に適した小型テレビ選びのポイントを解説しよう。ただし、テレビの視聴スタイルは多様化しているため、製品ジャンルとしての「テレビ」にはこだわらない。
これから新生活シーズンということで、小さな部屋にも似合う小型テレビ選びのポイントを……というリクエストが編集部からあった。ということで、「初めて自分で買う小型テレビ」というテーマで、少し話を進めていこうと思う。必ずしも新生活での独立という話ではなく、自分の部屋に1台置いておきたいという方にも読めるように話を進めたい。
まず、一言で”テレビ”といってもさまざまなスタイルの製品がある。単純に製品ラインアップが豊富ということではなく、”テレビ放送を受信して表示する”装置をテレビと捉えるなら、ワンセグ内蔵のスマートフォンもテレビだし、テレビチューナー内蔵のPCもテレビ。あるいはPCのディスプレイにBlu-ray Discレコーダーを接続して使う場合も、それはやはり”テレビ”と考えるべきだろう。
さらに、テレビ番組だけを見るのではなく、時間帯や好みに応じて、「YouTube」や「ニコニコ動画/生放送」を見たい時もあると思う。ハイビジョン放送とBD/DVD、YouTubeにニコ生/ニコ動を同列に並べるのはナンセンス? いやいや、これらを区別せずに映像を見る時間を振り分けている人たちが増えている。
テレビといっても、その視聴スタイルが多様になっているのだから、一人暮らし向け新生活アイテムとしてのテレビも多様になるのも当然だ。ここでは以下のように、利用スタイルを分類してみた。
テレビはテレビ、PCはPC
ネットコンテンツ、それもPC向けとモバイル向けを区別して、それぞれに適したデバイスで見ればいいという人なら、よく知られたメーカーである限り、何を買ってもいい。ただし、小型テレビは価格が安い分、メーカーもコストをかけにくい。何らかの付加価値(画質や機能、例えば録画用HDDの接続可否やチューナー数、高品位な映像処理LSIなど)を求めると急に価格が上がる傾向がある。
それら付加価値を求めないのであれば、思い切り価格重視で選ぶべきだが、そうではなく自分から積極的に選ぶのであれば、テレビとしての機能面を重視しよう。例えばシャープ“LED AQUOS”の「V7シリーズ」は、26V型ながらUSB外付けHDDに裏番組録画を行える。
テレビはテレビ。PCはノート型だからテレビにはつながない。でも、PC動画をテレビで見たいときも……
HDMIあるいはHDMIに変換可能な映像出力機能を持ったPCを使っているなら、テレビをPCの外部ディスプレイとしても使いたいと思うかもしれない。普段はノートPCとして単体で使っている方でも、ネット動画を見るときなどはテレビにつなぎたい場合もある。
テレビはPC画面を見るために設計されていないものがほとんどなので、長時間、メインで使うディスプレイとしてPCを使うことはあまりオススメしない。もし長時間使うディスプレイがほしいなら、PC用を買うべきだ。
しかし、たまに接続、プラスネット動画を少しでもテレビっぽくきれいに大きな画面で見たいなという時には、PC接続を意識した製品にしたい。ちゃんとPC専用の画質モードを持っている機種で、映像表示用のモードとの切り替えも手早く行えるものがいい。代表的には東芝の“レグザ”「26ZP2」がある。
ゲーム機やPC画面を映している時間が長く、テレビは好みの番組を録画視聴
もし、筆者がイマドキの20代独身男性だったなら、こういう使い方を望んだかもしれない。この場合、使い方の中心がテレビではなくディスプレイになる。ネットコンテンツへのアクセスも、テレビよりゲーム機やPCの方が便利なのだから、まずはそれら向けの好みのディスプレイを調達し、テレビ部分はレコーダーの接続でカバーしてはどうだろう。ゲーム機ユーザーなら「プレイステーション3」ユーザーも少なくないだろうから「torne」(トルネ)を接続すれば(地上波のみのシングルチューナーではあるが)、録画しておいて番組を楽しめる。より本格的に録画視聴をしたいなら、東芝の「レグザサーバー」などを組み合わせればベストだ。
PC用にたくさんの、ゲーム用とされるディスプレイが出ているが、PS3用周辺機器として発売されているSCEの「3Dディスプレイ(CECH-ZED1J)」は、この手の製品としては画質、3D表示品位ともによく調整されている。
次回は、もう少し具体的な使い方や機種に落とし込んでいくことにしよう。
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