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テレビを支える現場のアイデア、「NHK番組技術展」を見てきた(3/3 ページ)
プールの断面図を撮影したカメラにLED行灯、視点を変えると音も変化するシステムなど、面白そうな技術とアイデアをピックアップしていこう。
視点を変えると音も変化する音響システム
野球やサッカーの試合中継で気分が盛り上がったとき、好きなチームのサポーター席に行きたいと思ったことはないだろうか。「“視点切り替え連動”臨場感音響再生システム」は、そんなファンの夢をボタン一発でかなえるかもしれない将来の技術だ。
「スポーツ観戦や音楽コンサートでは、座る席によって音の聞こえ方が大きく変わる。将来のハイブリッドキャストでは、視聴者が視点を選べるマルチビューのサービスを計画しているが、音は通常の放送と変わらない」(説明員)。
スポーツ中継などでは、もともと複数のカメラを使って撮影を行っている。一般的な放送では、それらの映像を編集して1本の動画に仕上げるが、マルチビューではIP通信を利用してテレビ画面(放送)とは異なるカメラの映像を視聴できる。それなら、音も合わせて現場の空気を感じられるものにしようと、視点を変えると音も変化するシステムを開発した。
ただし、現場のマイクを増やすのではなく、カメラの位置をもとに距離と角度を計算し、ミックスを変えて視点ごとの音を作り出す仕組み。新たに開発した「ミキシングコントローラー」では、カメラ位置の条件を入力するだけでいい。これなら現場の負担を抑えつつ、よりリッチな体験を提供できるという。
同社によると、「ハイブリッドキャスト提供時に連動し、実用化することを目標に開発を進める」という。日本版スマートテレビと目されるハイブリッドキャストだが、また1つ楽しみが増えたようだ。
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