4Kの本質は“画質”、東芝が50V型の4Kテレビ試作機を展示:IFA 2013
東芝が同社製4Kテレビとしては初のサイズとなる50V型(プロトタイプ)を公開。また既存モデルの「Z8Xシリーズ」がHDMI 2.0に対応することも明らかにした。
東芝は、「IFA 2013」開幕に先立って行われた日本メディア向けの記者会見で4Kテレビの製品戦略を説明した。また、同社製4Kテレビとしては初のサイズとなる50V型(プロトタイプ)を公開。さらに既存製品のHDMI 2.0アップデートにも触れた。
説明を行った東芝ビジュアルソリューション事業部の村沢圧司事業部長は、同社で最近行われた組織改編について触れ、これまで地域ごとの事業部体制だったものが事業分野ごとの事業体制になったことで、改めてテレビ事業における4K製品の強化と世界展開戦略の積極推進を行っていくと表明した。大画面テレビの販売台数が伸びるとともに、大画面テレビにおける4K対応テレビの構成比も増え、同社の収益への貢献も大きくなったという。
とくに日本市場では55V型以上の大画面テレビにおける4Kテレビの比率は4分の1まで増え、金額ベースのシェアでは半数を占めた(2013年7月)という。これが4Kテレビ「Z8Xシリーズ」の展開に自信を持たせているようだ。東芝では、映像エンジン「CEVO 4K Engine」を軸にした“高画質”を全面に押し出すとともに、今年2013年8月以降にスタートした欧米市場への4Kモデル3製品投入でグローバル展開を狙う。
また今回の「IFA 2013」では、長らく登場が待たれていたHDMI 2.0が正式発表され、6日には現地での記者発表会も予定されている。HDMI 2.0では既存世代の2倍近いスループットとなり、チャネル単位では6Gbps、トータルでは18Gbps。これにより、4Kでの60フレーム伝送が可能になった。
この恩恵を受けるものはもちろん4Kテレビ。現在展開されている「Z8Xシリーズ」(日本モデル)、「L9300シリーズ」(海外モデル)について、ファームウェア書き替えによるHDMI 2.0へのバージョンアップ対応を行う予定だという。
そのほかの機種の対応や実際のファームウェア提供方法については後日アナウンスするとしているが、最近の製品はすでに高速規格に対応できる仕組みになっており、ソフトウェアの変更だけで状態だという。
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