カジュアルな大画面、ハイセンスが11万円前後の55V型液晶テレビ「HS55K20」を発売:日本製チップセット採用
ハイセンス・ジャパンが、55V型のフルハイビジョン液晶テレビ「HS55K20」を投入する。他社製品は40インチ台となる価格帯に投入することで、“1クラス上の大画面”を訴求する。
ハイセンス・ジャパンは2月6日、55V型のフルハイビジョン液晶テレビ「HS55K20」を発表した。国内メーカー製のチップセットとファームウェアを導入したという完全に日本向けの製品だ。2月20日から全国の家電量販店などで順次発売する予定で、価格はオープンプライス。店頭では11万円前後になる見込みだ。
ハイセンス(海信)は、中国・山東省に本拠を置く総合家電メーカー。中国国内では液晶テレビのシェア1位、白物家電でも2位で、現在は世界130ヵ国に進出している。 日本市場には2010年に中国メーカー初の自社ブランドとして参入し、大手家電量販店にフォーカスして中小型テレビを販売している。
「HS55K20」は、ハイセンス・ジャパンが扱う初の55V型であり、他社製品は40インチ台となる価格帯に投入することで、“1クラス上の大画面”を訴求する構えだ。「日本メーカー製の50インチ台は高付加価値モデルが多く、そのぶん高価になる。シンプルな大画面テレビを投入し、リビングルームだけでなく、個室や若い人の一人暮らしなど、さまざまな場所に置いてもらえるようにしたい」(同社)。
シンプルといっても、USB外付けHDDへの録画機能や、録画中でも裏番組を視聴できるWチューナーといったニーズの高い機能は抑えている。HS55K20には、地上デジタルチューナー2基とBS/CS110度デジタル1基を搭載。また「日本メーカー製のチップセットとファームウェア」(同社)を導入したことにより、機能面や電子番組表などのGUIは完全に日本仕様になった。
データ放送や双方向サービスに対応しているのはもちろん、録画番組に対してチャプターやサムネイルを設定したり、番組のフォルダ分けといった機能もある。また、長時間録画には対応していないが(TSモードのみ)、2つのUSB端子を備え、2台の外付けHDDを同時に接続できる点も特長だ。
フルHDの液晶パネルは、VA方式ながら上下150度/左右180度の視野角を確保。パネル自体は60Hz駆動だが、LGエレクトロニクスの「Trumotion 120Hz」技術と直下型LEDバックライトを導入して疑似倍速化した。黒挿入などを利用して動画表示性能の改善を図っている。
本体サイズは、スタンドを含めて1247(幅)×795(高さ)×330(奥行き)ミリ、重量は23キログラム。HDMI入力は2系統で、ほかにD4映像入力、PC入力(D-Sub 15ピン)、コンポジット入力(RCA)などを備えている。
ハイセンス・ジャパンで今後は、洗濯機やエアコンといった製品についても日本市場への展開を計画中。また液晶テレビ分野では、「HS55K20」を契機にバリューアップを図っていく構えだ。「厳しい日本市場でハイセンスブランドが認知され、成長していけるなら、ワールドワイドでのブランド力向上にもつながる。将来的には日本の一流ブランドになるようにがんばりたい」(同社)。
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