米国の大手映像配信サービス「Netflix」(ネットフリックス)が今秋から日本でのサービスを開始すると発表した。料金やコンテンツ、対応機器などの詳細については、後日改めて発表される。
Netflixは、約50カ国で5700万人以上が利用するサブスクリプション型の動画配信サービス。映画やテレビ、オリジナル番組など月あたり20億時間以上という豊富なコンテンツを武器に、北米市場を中心に確固たる地位を築いた。
日本向けのコンテンツや対応機器など詳細については、後日改めて発表するとしているが、日本のテレビシリーズや映画に加え、同社オリジナル制作の「Marco Polo」、ドラマチック・スリラー「Sense8」、マーベル原作「Daredevil」、アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた「Virunga」などプレミアムでユニークなコンテンツも展開する予定だという。一方、日本の映画やテレビ番組など各種コンテンツを世界のNetflix加入者に向けて展開する可能性も示唆している。
日本市場への参入にあたり、Netflixは東京に事務所を立上げ、グレゴリー・K・ピーターズ氏をゼネラルマネジャーに任命した。同氏は2008年入社、チーフストリーミング兼パートナーシップ役員からの昇格で、日本語も堪能とのことだ。
Netflixは昨年、ヨーロッパで新たに6カ国(オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、スイス)でのサービスを展開など推し進め、2015年3月にオーストラリアやニュージーランドでの3月サービス開始も発表済み。2016年末までに全世界的な展開を目指しており、日本市場への参入もその一環となる。
国内のサービス事業者も注目
Netflixの日本参入は国内の既存サービス事業者も注目している。同日、2014年度第3四半期の決算発表会を行ったスカパーJSATは、「市場への刺激になる」とコメント。同時に「われわれの『スカパー!オンデマンド』では、ライブやスポーツに注力して差別化していきたい」(スカパーJSATホールディングスの仁藤雅夫取締役)とした。
一方、一足先に日本市場に参入し、現在は日本テレビ子会社となっているhuluは、「まだまだ日本では新しいオンライン動画配信事業の市場をともに切磋琢磨しながら拡大していければと考えている。われわれも、より一層の充実したサービスの拡大に努めていきたい」(ヴァイスチェアマンの船越雅史氏)と話している。
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