これが「真の32bit」、e-onkyo musicが国内初の32bit intenger音源を配信開始――「ラブライブ!」5作品から
「e-onkyo music」が国内初の32bit intengerハイレゾ音源の配信を開始した。第1弾は「ラブライブ!」のシングル5作品。2013年に始まったランティスのアニソンハイレゾ配信の口火を切ったタイトルだ。
オンキヨー&パイオニアイノベーションズは8月26日、ハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」において、国内初の32bit intengerハイレゾ音源の配信を開始した。第1弾は「ラブライブ!」のシングル5タイトル。また年内は隔週のペースで継続的に32bit intenger音源を配信していくとしている。
タイトル | 価格 |
---|---|
僕らのLIVE 君とのLIFE CW/友情ノーチェンジ | 1728円 |
Snow halation CW/baby maybe 恋のボタン | 1728円 |
夏色えがおで1,2.Jump! CW/Mermaid festa vol.1 | 1728円 |
もぎゅっと“love”で接近中! CW/愛してるばんざーい! | 1728円 |
Wonderfu Rush CW/Oh,Love&Peace! | 1728円 |
32bit音源の配信は「OTOTOY」などが既に手がけているが、音源はいずれも32bit float(浮動小数点)だ。これは楽曲制作の現場で使われているツールがプロセッシングやミキシングに浮動小数点演算を利用し、その出力が32bit float(浮動小数点)になるため。しかしe-onkyo musicでは、32bit floatの音源はダイナミックレンジが144dBと「実質的に24bit音源と変わらない」と指摘。一方で32bit intenger(整数)なら192dBという「32bit本来のダイナミックレンジを確保できる、真の32bitといえるもの」(同社)としている。
第1弾となる「ラブライブ!」シングル5タイトルは、2013年に始まったランティスのアニソンハイレゾ配信の口火を切ったタイトルだ。今回は、マルチトラックデータから新たにミックスとマスタリングをやり直した「HD REBUILD MASTER」として配信する。
担当プロデューサーの佐藤純之介氏は、「CD発売時に制作したマスター音源は、『ProTools|HD』を使い、32bit floating/48kHzで収録からミックスまでを行っている。今回はオリジナル音源のミキシングエンジニアの手により、マルチトラックデータを32bit floating/96kHzに変換した後、存在しない周波数帯域に倍音を付加するといった強引なプロセスは一切行わず、96kHzの解像度やスペックを生かしたバランスに再ミックスし、マスターファイルを新たに作成した」という。
このマスターファイルにフルデジタルのマスタリング処理を施し、96kHz/32bit intengerにレンダリング。192dBのダイナミックレンジで処理したマスターを制作することで、従来の24bit音源や32bit floatを上回る「滑らかで高い解像度を持つ音源制作を実現した」(佐藤氏)としている。なお、マスタリングはJVCケンウッドクリエイティブメディアの著名エンジニア、原田光晴氏が担当した。
今回の32bit intenger音源を再生できる環境はまだ限られているが、同社ではネイティブ再生のチェック済み機種として、Astell&Kernのポータブルプレイヤー「AK380」、ChordのDAC「Hugo」、iFi Audioの「micro iDSD」、フォステクス「HP-A8」、OPPO Digital「HA-1」、ティアック「UD-503」、パイオニア「U-05」を挙げている。
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