さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。リコーイメージングスクエア銀座で、2016年5月11日から開催する今野徳好氏写真展「垂ずる銀幕」-元村和彦コレクション/ロバート・フランクへの憧憬-を案内する。
作品内容
今回の写真展は、編集者であり写真コレクターでもある元村和彦氏*のコレクションから写真家今野徳好氏のゼラチンシルバープリントを中心にして、近作のカラー作品を含めた約30点で構成。長年の作家活動の集大成として未発表作品まで含めた今野氏の世界をご覧いただきます。今野氏は写真家ロバート・フランクの理解者であった元村和彦氏との出会いが、作品の礎となっています。市井を写すなかで厳しく写真とは何かを問うてきました。写真とは現実のもでもなく、ある種、夢の中の出来事のようであるという。今野氏はそれを「写真に輪郭された終わりなき始まりを見ている」と言葉を結んでいる。その根っこがロバート・フランクにあるという。今回は特別に元村氏が出版したロバート・フランクの写真集「私の手の詩」「花は・・・」を会場にご用意いたします。氏のオリジナルプリントと共にご覧いただき、その醍醐味を味わってください。なお、会期中に今野氏によるトークイベントを予定しています。詳細に関してはリコーイメージングスクエア銀座のホームページにてご確認ください。
プロフィール
今野徳好(こんののりよし)
1943 年 東京 深川生まれ
1968年 多摩美術大学付属芸術学園 写真科 東松照明ゼミ履修
1970年 『カメラ毎日』『海外写真誌Camerart』FUJI XEROX『グラフィケーション』等に作品を発表
1975年 1975、1976、1977年度版 日本石油ダイヤリィー カレンダー撮影
1977年 『日本の産育習俗の記録ドキュメント』撮影 愛育病院 澤田敬司氏と共同作業
1978年 1977年-1986年 主婦の友社 委託写真家に
1980年 日本写真家協会会員/推薦 東松証明
1981年 写真集『夢軌道都電荒川線』撮影 装丁粟津潔 木馬書館刊
1985年 博報堂 新聞公共広告「元気 ばんざい」撮影 朝日広告賞応募
1985年-1987年『関東大震災復興時に生まれた庶民の近代建築_看板建築その残滓の景観』撮影 作家小林亜庭氏と共同取材 東京法規出版 未発表
1997年 アマナイメージ 契約作家
1999年- 愛知県立芸術大学美術学部デザイン科 非常勤講師に
2003年 東京都写真美術館 谷川俊太郎監修「写真てなんだろう」参加
2004年 愛知県立芸術大学美術学部デザイン科 デザイン特殊ゼミA[写真]指導
2006年- 2論文「写真を表現する私性の軌跡」「ユージン・スミスの来歴に見る写真の使命」愛知県立芸術大学「紀要」に発表
2007年 愛知県立芸術大学美術学部/学長特別研究 「銀塩写真を新しく媒介する装置の資質」
2008年 愛知県立芸術大学美術学部/学長特別研究 「カラー写真とモノクロ写真を位相させる色彩要因、この異なる要因から人が構想するもの」
*元村和彦(もとむらかずひこ)
1933年佐賀県に生まれ、九州や東京で税務署員として勤務した後、1960年に東京綜合写真専門学校に入り写真を学び、その後、同郷の写真家森永純を通して知り合ったユージン・スミスの写真展を日本で企画開催し、自ら出版社 邑元舎(ゆうげんしゃ)を設立。これまでに5冊の写真集を刊行した。2014年逝去。
写真展の詳細
名称 | 「垂ずる銀幕」-元村和彦コレクション/ロバート・フランクへの憧憬- |
---|---|
開催期間 | 2016年5月11日(水)〜6月26日(日) |
開館時間 | 11時〜19時(最終日16時終了、入場は18時30分まで) |
定休日 | 火曜 |
入場 | 510円(税込) |
会場 | リコーイメージングスクエア銀座 ギャラリーA.W.P |
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