7万Hzまで再生できる新素材のイヤフォン、マクセルから「Graphene」登場:ポタフェスに出品
マクセルは、新開発の振動板を採用したカナル型イヤフォン「Graphene」を発表した。その名の通り、炭素原子が蜂の巣(ハニカム状)に結合したグラフェンを使用している。
マクセルは7月17日、新開発のダイナミック型ドライバーを採用したカナル型イヤフォン「Graphene」(グラフェン)を発表した。グラフェンコート振動板を業界で初めて採用し、「高精細なハイレゾリューションオーディオ」を余すことなく再現する」という。
グラフェンは、炭素原子が蜂の巣(ハニカム状)に結合したシートのことだ。原子1個分の厚みしか持たず非常に薄くて軽いほか、原子間の共有結合が非常に強く、強じんでしなやか。引っ張り強度はダイヤモンドよりも高く、また熱伝導率や電気伝導率の高さも手伝って新素材として注目されている。鉛筆の芯でお馴染みの黒鉛(グラファイト)は、グラフェンが積層したものだが、人の手でグラフェンを作成できるようになったのは21世紀に入ってからだ。
可聴帯域を大幅に超える7万Hzまで再生
マクセルでは、このグラフェンを振動板の表面加工に応用。これに軽量なCCAW(Copper-Clad Aluminum Wire)ボイスコイルを組み合わせることで、振動板の分割振動を抑制し、ひずみの少ないクリアな再生を実現したという。「グラフェンコート振動板は音の伝播速度が速く、可聴帯域を大幅に超える7万Hz(人間の可聴域は2万Hzといわれる)に至る高音を再生できる。精細なハイレゾ音源を余すことなく再生できる応答特性を実現した」(同社)
Grapheneには2モデルがあり、上位機種の「MXH-GD200」はステンレス合金と高剛性ABS樹脂のハイブリッドボディを採用して不要共振を抑制。さらにグランド信号を分離した4芯ケーブルを採用してクロストークを低減した。一方、下位機種の「MXH-GD100」は、アルミ号機とABS樹脂のハイブリッドボディを採用している。
どちらもハウジングは密閉型で、ドライバー径は10mm。再生周波数帯域は20〜7万Hz、感度は92dB/mW、最大入力は50mW。インピーダンスは16Ω。カラーはMXH-GD200がシルバー、MXH-GD100はブラックとホワイトの2色となっている。
同社では、Grapheneにマクセルの「音」を追求した製品のシンボルマーク「m」(エム)を刻み、8月25日に発売する予定だ。価格はオープンプラス。店頭ではMXH-GD200が1万1800円、MXH-GD100は8980円になる見込みだ(いずれも税別)。
なお同社では、7月16日(土)と17日(日)に東京・秋葉原で開催される「ポータブルオーディオフェスティバル 2016 in 秋葉原」(ポタフェス)にGrapheneを出品する。
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