アルミブロックから削り出したぜいたくなフレーム
船山氏はパイオニア機のXDP-30Rのデザインを主に手がけたデザイナーだが、今回の2つの製品はともに、エントリーモデルとしては“常識はずれ”といえるほど、上質なアルミ素材を惜しみなく使うことにも注力したと振り返っている。確かに両モデルともにアルミブロックから削り出した、剛性が高く軽量なアルミフレームを使っている。カラーリングについては、オンキヨーは“漆黒の黒”を表現。アルマイト塗装処理によるマットな仕上げが物欲をそそる。パイオニア機は金属の質感を生かした明るいシルバーと、オンキヨー機よりもやや明るさのあるブラックに調色して工夫を凝らした。
XDP-30Rについては小型化しながら、片手での持ちやすさをいっそう追求したデザインに仕上げている。見た目のデザインはシャープな印象だが、本体の右下に斜めのカットを設けたことで、手のひらに素直にフィットする。
背面パネルはアンテナ性能を確保するため、フルメタルにはならなかったそうだが、これを逆手にとって樹脂製のバックパネルとして陶器のようなやわらかい質感を持たせている。手に触れたときの触感も滑らかだった。
今回のオンキヨー、パイオニアのハイレゾDAPにとって、最大のライバルはスマホであるといえるかもしれない。スマホとの関係性について佐野氏に聞いた。
「まず音質は圧倒的に上であると考えていますし、音楽再生専用に設計されたUIやバッテリーのスタミナなど使い勝手についても明確にすみ分けられるものだと考えています。スマホに加えて、音を心地よく楽しむためのプレーヤーを“2台持ち”しながら使って欲しいと考えています」。そのために便利なスマホアプリとの連携機能も搭載した。オンキヨーは「Onkyo DapController」、パイオニアは「Pioneer DuoRemote App」というアプリをiOS/Androidスマホにインストールして、プレーヤーとBluetooth経由でペアリングすれば、スマホからプレーヤー側の基本的な楽曲の再生・一時停止、曲送りやフォルダーの作成・編集などのリモコン操作が可能になる。
佐野氏は今後、アップデートによる機能追加などを実施しながらユーザーが購入後も楽しめる新機能の追加を積極的に検討していきたいと語っている。国産ブランドの製品ならではの、ユーザーの生の声を反映した着実な進化を遂げて、長く愛用できるプレーヤーになりそうだ。
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