iPhone 7を充電しながら音楽を聴けるLightningイヤフォン「RAYZ Plus」――NC機能にアプリ連携も
パイオニアからLightning接続のイヤフォン「RAYZ」(レイズ)および「RAYZ Plus」(レイズプラス)が発表された。音質に妥協せず、使い勝手と消費電力の面で現在のiPhoneユーザーが抱えている問題を解決する製品だという。
オンキヨー&パイオニアイノベーションズは2月15日、パイオニアブランドのiOS端末専用イヤフォン「RAYZ」(レイズ)および「RAYZ Plus」(レイズプラス)を発表した。このうちRAYZ Plusは、ケーブルの途中に充電用Lightningポートを備えており、iPhone 7で音楽や通話を楽しみながら充電も行える唯一のLightning接続イヤフォンとなる(2017年2月現在)。
発表会であいさつに立った宮城社長はまず、2016年9月のiPhone 7発表を振り返り、その時の衝撃について語った。「3.5mmミニジャックがなくなるという噂は聞いていたが、なくなるところを目の当たりにすると考えさせられた」。海外では日本ほどiPhoneのシェアが高いわけではなく、また急速にBluetoothのワイヤレスヘッドフォンが普及しているため問題視する人は少ないが、音質重視の日本市場では状況が少し異なる。
アップルはLightning接続のイヤフォン「EarPods」や3.5mmミニジャックを持つLightningアダプターを用意したが、今度はイヤフォンを使用している間は充電できないという問題が生じた。またLightning接続の場合、イヤフォン側にD/A変換機能やアンプの機能を持たせなければならず、iPhoneのバッテリーを消費するといった課題もある。
「Bluetoothは快適だが、われわれのアプローチは(音質重視で)Lightningから音楽を取り出すこと。キモとなるLightningオーディオモジュールには、アップルとアブネラが開発した新型チップを採用し、省エネも実現した」(宮城氏)。オンキヨーはアブネラに出資しており、またモジュールを開発したのが同社との合弁企業だったこともあり、いち早く新チップを採用することができたという。
RAYZシリーズのマーケティングを担当する甲斐拓氏によると、「フルボリュームで5時間再生したとき、アナログ接続のイヤフォンではiPhoneのバッテリーが9%減った。EarPodsは12%、Rayzは6%しか消費しない」という。さらにイヤフォンの出力を必要最小限に絞る「エコモード」を使えば、「ほかのどのイヤフォンよりも低消費電力で使用できる」という。
スマートなイヤフォン
RAYZ/RAYZ Plusの外観はいたって普通だ。ハウジングには9.2mm径のダイナミック型ドライバーを収め、Lightning経由で最大48kHz/24bitの音源再生が可能だ。再生周波数帯域は10〜2万2000Hz。しかし、実はノイズキャンセリング機能やアプリ連携など多くの機能が詰め込まれている。
例えば、各所に合わせて6つものマイクを搭載し、通話はもちろん、スマートなアクティブ型ノイズキャンセリング機能を実現した。周囲の騒がしさに合わせてあらかじめ用意した設定を切り替え、環境音に応じてNCの効き方に強弱をつける。また、音楽を聴いている時に外部の音を確認したくなったとき、イヤフォンを外さずマイクから外部の音を取り込める「HearThru」(ヒアスルー)モードも備えた。
6つのマイクはほかの場面でも役立っている。例えばSiri使用時の認識率が向上。さらにイヤフォンを耳から外すと聴いていた音楽や動画が自動的にストップする「オートポーズ」にもマイクを活用した。「マイクが狭い空間(耳穴)に入っていることを検知して再生、広い場所になると止まる仕組みだ。NC用のマイクを再利用する形で実現した」。理由は「他社製品のように専用のセンサーを使うと消費電力のアップにつながる」ためだ。
リモコン部には通話や音楽再生に使う3つのボタンに加えて「第4のボタン」こと「スマートボタン」を備えた。ここにはアプリの起動やマナーモードの切替など、任意の機能を割り当てることができる。設定を行う専用アプリでは、5バンドのイコライザー機能や「オートポーズ」のオン/オフといった操作も可能だ。
さらに今後のバージョンアップにより、通話時に話すのをやめると自動的にマイクがミュートになる「スマートミュート」機能などの追加も予定している(2017年中を予定)。「機能の追加により進化していくスマートなイヤフォンだ」(同社)
RAYZ/RAYZ Plusは3月下旬に発売予定で、価格はオープンプライス。海外ではRAYZが99米ドル、RAYZ Plusが149米ドルに設定されている。
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