オンキヨー&パイオニアイノベーションズは、オンキヨーブランドとパイオニアブランドの双方から小型のハイレゾプレーヤーを発売する。スマートフォンの「GRANBEAT」で培った小型化の技術を用い、イヤフォン/ヘッドフォンのバランス駆動に対応した意欲作だ。
オンキヨーブランドからは“rubato”(ルバート)というペットネームが与えられた「DP-S1」、一方のパイオニアは“Private”(プライベート)と呼ぶ「XDP-30R」を発表した。
基本設計は共通で、シャーシはアルミニウムの塊からの削り出し。ESS製のDACチップ「ES9018C2M」とアンプ「9601K」を2基ずつ搭載し、DACからイヤフォン出力までをフルバランス回路設計とした。上面には、一般的な3.5mm端子に加え、イヤフォン/ヘッドフォンのバランス接続に対応する2.4mm 4極端子を備えている。
またバランス駆動は、通常のBTLバランス駆動方式に加えて独自のActive Control GND駆動方式も採用。2つのDAC出力(L-GND/R-GND)をCOLD側アンプとして単独駆動させ、0Vに固定することでグランドの揺らぎを排除するというもので、クリアでパワフルなサウンドを実現するとしている。
デザインは若干異なるものの、両機種とも63(幅)×94(高さ)×15(厚さ)mmというコンパクトなボディーに2.4インチの静電式タッチパネル付き液晶ディスプレイ(320×240ピクセル)を備え、ボディーサイズと合わせて「すべてのアイコンや機能に片手でアクセスできる」(同社)
ハイレゾ再生は、リニアPCMが192kHz/32bitまで、DSDも5.6MHzまでのネイティブ再生が可能だ。もちろんMP3などの圧縮音源やストリーミング音源にも対応する。
内蔵ストレージは16GBだが、2つのmicroSDカードスロットを備えており、それぞれ200GBのカードを装着すると416GBまで拡張が可能。内蔵バッテリーの容量は1630mAhで、アンバランス接続なら15時間の連続再生(FLAC 96kHz/24bit)に対応する。このほか通信機能として、Wi-Fi(IEEE 802.11a/b/g/n)やBluetoothを搭載。なお、Bluetooth接続時のコーデックはSBCのみとなっている。
スペック上の違いはXDP-30Rのほうが10g軽いこととカラーバリエーション程度(DP-S1はブラックのみだが、XDP-30Rはブラックとシルバーの2色をラインアップ)。ただし、外観とUI(ユーザーインタフェース)のデザインが異なり、また外からは見えにくい“音作り”も異なるという。
価格はどちらもオープンプライスで、DP-S1は実売4万5000円前後(税別)、XDP-30Rは4万円前後と5000円ほど安くなる見通し。DP-S1とXDP-30Rのブラックが3月中旬、XDP-30Rのシルバーは3月下旬から店頭に並ぶ。
2.5mm 4極プラグのバランス接続対応イヤフォンも
同時にパイオニアブランドからハイレゾ対応のカナル型イヤフォン3機種が発表された。こちらも基本設計は共通で、新開発の9.7mm径ダイナミック型ドライバーを搭載しているほか、筐体内部から外務に向かう通気部にチューブを使った「Airflow Control Port」が特徴だ。すべてオープンプライスで3月中旬に発売する。
最上位機の「SE-CH9T」は、ノズルを異種金属の2層構造にすることで不要な共振を抑制したほか、MMCX対応の着脱式ケーブルを採用している。実売想定価格は1万2000円前後(税別)。
「SE-CH5BL」は2.5mm 4極のバランス接続対応のL型プラグを備えたモデル。想定売価は1万2000円前後(税別)。また「SE-CH5T」は3.5mmステレオミニのスタンダードモデルで、レッド、ネイビーブルー、シルバー、ブラックの4色をラインアップしている。想定売価は5000円前後。
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