パナソニックが2014年に発表した“Jコンセプト”は、シニア世代にターゲットを絞った白物家電シリーズです。中でも紙パック式掃除機は、キャニスター型ながら重量をそれまでの半分程度となる2kgまで軽量化。取り回しが楽になり、今年6月までに累計30万台を生産するヒット商品になりました。
その新型が9月20日に発売される「MC-JP800G」です。進化のポイントは、新開発の「ロングハンドル」とアタッチメントの軽量化。利用者の体への負担を軽減するとともに、掃除機がけのストレスが軽減するとしています。
ロングハンドルは、持ち手(ハンドル)の長さを従来の倍にあたる約28cmまで延ばしたもの。今までより体の近くでハンドルを持てるようになり、またホースの接続位置も下げて手元にかかる負担を軽減します。
ロングハンドルのメリットは、「これまでの前屈みの姿勢での掃除を改善し、体を起こした姿勢で掃除することができる」(同社)こと。実際、掃除中の腰の“曲げ角度”は従来機に比べて約3.2°改善されました。3.2°というと小さい違いのように感じますが、腰の負担としては約3kgぶんが軽減されるそうです。これにより、人間生活工学研究センターの人間生活工学製品機能認証(第17450100号)も取得しました。
アタッチメントの軽量化も実現しました。ノズルにはパナソニックが独自に開発した「中空ガラス配合軽量プラスチック」を採用。中が空洞になっている小さなガラス玉を樹脂(プラスチック)に混ぜることで均等に空洞を作った軽く丈夫なプラスチックです。
さらに延長管にはスーツケースなどに用いられる軽くて強いPP-FRP(ポリプロピレン繊維強化樹脂)を使うなどして質量を約18%(約300g)削減。本体とアタッチメント(ホース、延長管、床用ノズル)を合わせた標準質量は約3.3kgとなりました。
掃除のストレスが軽減
パナソニックは今回、脳科学や認知神経科学の知見に基づくマーケティング&コンサルティングサービスを提供しているセンタンと共同で、掃除機使用時に人が感じるストレスについて検証する比較実験を実施しました。40代から70代の女性60人を対象として、新製品のMC-JP800Gと従来機のMC-JP520Gを使用してもらい、掃除前後の脳波および心拍を解析したのです。2機種は本体が同じ仕様(一部使い勝手を向上させる改善あり)なので、純粋にロングハンドルとアタッチメント軽量化の効果が検証できます。
その結果、新型のほうが掃除機がけ直後に脳が緊張緩和傾向に働き、同時に心拍の収束がより早かったそうです。つまり、「従来機に比べ、ストレスが軽減されることが確認できた」(同社)
ストレスも軽くなるMC-JP800Gは、ホワイトとベージュの2色で9月20日に発売予定。価格はオープンプライスで、店頭では5万5000前後(税別)になる見込みです。
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