スマートフォン用ゲームアプリ「Pokemon GO」(以下、ポケモンGO)が労働者の心の健康の保持と増進に有効であると東京大学の研究グループが発表した。1カ月以上継続してプレイした労働者は、心理的ストレス反応が減少したという。
ARを活用するポケモンGOは、ポケモンの捕獲や卵の孵化など“外に出て歩く”ことが重要。その新規性からプレーヤーの心身に及ぼす影響について、さまざまな方面で論じられてきたが、ほとんどは事例証拠や専門家の意見によるものにとどまっていたという。
東京大学医学系研究科精神保健学分野の大学院生、渡辺和広さん、川上憲人教授などの研究グループは、「Pokemon GO」が労働者のメンタルヘルスを改善する効果に着目。日本に居住している労働者2530人を対象に、ポケモンGOを1カ月以上継続してプレイしたことがあるか、および心理的ストレス反応の程度について調査した。その結果、プレイした労働者246人(全体の9.7%)は、そうでない労働者に比べ、1年後の心理的ストレス反応が有意に減少していたという。研究成果は9月7日付けで英国の科学専門誌「Scientific Reports」に掲載された。
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