円高、米国株安を受けて大幅下落、一時持ち直すも再度売られて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年05月22日 15時44分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅下落、為替も円高に振れたことから売り先行となりました。売り気配から始まるものが多いなど大幅下落の始まりとなりましたが、寄り付きの売りが一巡すると、週末の買い戻しに加え、持高調整と見られるまとまった買いが幅広い銘柄に見られ、指数は切り返す動きとなりました。ただ、いったん堅調となったものの後場に入って買いの手が引っ込むと手仕舞い売りがかさんで軟調、最後は見切り売りもあって大幅下落となりました。

 何とも奇妙な相場でした。寄り付きは軒並み売り気配から始まり、大幅下落となったものの、幅広い銘柄にまとまった買いが断続的に入って指数が切り返すという状況でした。ハイテク銘柄も自動車株も金融株も非鉄株も食品株も、多くの業種で高くなるものが散見されるといった状況でした。

 週末と言うことに加え、これだけの円高(実際にはドル安ですが)となったにも関わら輸出関連銘柄が買われるというのも奇妙な話です。朝方からディフェンシブ銘柄や円高メリット株が底堅かったのは理解できるのですが、何とも納得の行かない動きでした。こうした何ともわけのわからない相場のときは何かしら「アジア株が高いから買われた」などと理屈をつけたがるのでしょうが、ほとんどの場合目先的な需給で動いていることが多いのではないかとおもいます。

 同じ業種や業態のなかでもまちまちとなりました。こうしたときは得てして大きな変動の前触れとなることも多く、どちらかへ大きく動くことになるのかもしれません。引き続き日経平均は9300円から500円の水準を上値、8800円から9000円水準を下値としたもみ合いが続くと思っていたのですが、それでも、米国株安の割にはしっかりとした相場となっており、これが本当ならば上に放れる可能性が高く、「ダマシ」=無理をしている状態であれば週明けから急落となる可能性も出てくるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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