INAXがミラノサローネに初出展、喜多俊之デザイン

» 2011年03月01日 13時28分 公開
[本間美紀,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 INAXといえば、日本を代表する水まわりメーカー。この10年は特に、空間デザインを強く意識した「サティス」(タンクレストイレ)「スイートルーム」(バスルームシステム)製品を発表。日本の浴室空間を変えてきた。そのINAXがついに、2011年4月のミラノサローネに出展する。

 会場はフオリイベント(ミラノ市外で行われるイベントの総称)の中心地でもあるトルトーナ地区。その中のシンボリックな建物「スーパースタジオピウ」の中だ。

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 テーマは「FURO DISCOVER YOUR NATURE」。新タイプのバスタブが登場する。少ないお湯でクリーム状のきめ細かな泡が生まれ、バスタブに満ち満ちた泡が体と心を包み込む。またヨーロッパではホテルや家庭で必須の設備、シャワーブースも発表される。いずれもコンセプトモデルだ。

 プロダクトデザインを担当したのが、やはりミラノサローネでは日本の顔ともいえる、喜多俊之氏。彼の描く温かみある曲線は、お風呂での心地よさをいかにも表現している。イベントの会場デザイン、監修も喜多氏が担当。

 なぜ、ミラノに? という点は、イタリアとINAXの長い交流関係がベースにある。チェルサイエ(タイル・住宅設備機器などのイタリアの国際展示会)に長く出展し、INAXはイタリアではすでにタイルのブランドとして知られている。さらにジオ・ポンティがホテルためにデザインしたタイル意匠のライセンスを取得したり、聖フランチェスコ教会(ジオ・ポンティ設計)の外壁タイルの修復に協力したりと、ミラノの関係者やジオ・ポンティの親族との交友関係も生まれた。

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 今回のミラノではINAXの「技術とデザイン」も積極的に見せる。特にシャワートイレはまだまだ日本の「技術」の象徴としてヨーロッパでは人気が高い。日本ではすっかりおなじみの「サティス」(タンクレストイレ)、手をかざすだけで吐水止水できる自動水栓の「ナビッシュ」、さらに自己発電する水栓「オートマージュ」(アクアエナジー仕様)など、環境や快適に結びつく、INAXならではの技術を展示する。

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 プレミアムブランド展開の第1弾として、INAXブランドの海外での認知、競争力を高める。デザインは美しいけれど、どうしてもローテクになりがちな、ヨーロッパのバスルーム文化に対し、「人と自然を日本の最新技術でつなぐ」をコンセプトにした新しい入浴スタイルを提案したいという。ミラノサローネは日本企業のブランディングの場として、まだまだ熱い注目を浴びているようだ。

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