底堅く堅調だが大幅高の反動もあって上値も重い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年10月31日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8926.54△123.93

<TOPIX>771.43△8.64

<NYダウ>12231.11△22.56

<NASDAQ>2737.15▼1.48

<NY為替>75.81▼0.14

欧州金融不安が薄れたことや予想を上回る決算など好調な決算動向に反応して底堅く堅調だが前日の大幅高の反動もあって上値も重い

 ダウ平均とS&P500指数は上昇、ナスダック指数は小幅安となりました。前日の大幅高の反動や週末の手仕舞い売りに押されて上値の重い軟調な展開となりましたが、欧州金融不安が薄れたことで素直に予想を上回る決算発表に反応する動きや好調な決算を見直す動きもあって底堅く、最後は買戻しも入って底堅い堅調な展開となりました。信用収縮=リスク許容度の低下も一段落となっていたことも見直し買いが入る要因となっているものと思います。

 ようやく、足元の好調な決算動向に素直に反応できるようになって来たようです。欧州金融不安から世界的な景気鈍化懸念が強まり、好調な決算の発表がみられても素直に乗り切れない面もあり、また、慎重な見方も多くなっていたのですが、資金の流れの逆スパイラルへの懸念が弱まり底入れ確認となったものと思います。強含みの展開が期待されますが、どこかでQE3(量的緩和)を催促するような場面もみられるのかもしれません。

 個別には予想を上回る決算を発表したメルクとシェブロンは堅調、パソコン部門のスピンオフ)(分離・独立)を撤回すると発表したHP(ヒューレット・パッカード)は大幅高となりました。金先物価格は軟調となりましたが、好決算期待もあり、パブリック・ゴールドやニューモント・マイニングは大幅高となりました。前日の大幅高の反動から景気敏感株もまちまち、キャタピラーやアルコア、アップルやIBMは高かったのですがインテルやGE(ゼネラル・エレクトリック)は軟調となりました。金融株もまちまち、バンク・オブ・アメリカは堅調でしたがJPモルガン・チェースは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高などを受けて買い先行となり、大幅高となったのですが、円高気味ということもあり、上値も限定的となりました。決算動向に敏感に反応する銘柄もみられたのですが指数は方向感はなく、週末の持高調整の売り買いが交錯しながら方向感に乏しい展開が続きました。為替が円高気味という割には値持ちは良かったのですが依然として物色対象が絞られるわけでもなく、まだまだ買戻しが中心となっているものと思います。

 週末に大幅高となったことからその反動もありそうで、上値の重い展開となりそうです。欧州金融不安が一段落、世界的な景気鈍化懸念は薄れたのですが、タイの洪水被害の問題や円高の問題などもあり、積極的に買い上がることも、買戻しを急ぐこともなさそうです。売られすぎ銘柄の見直し買いはまだみられると思われますが、ハイテク銘柄など輸出関連銘柄は円高やタイの洪水被害などが懸念され、上値の重いものが多くなりそうで内需銘柄の売られすぎを見直す動きとなりそうです。

 日経平均は9000円を超えて、8800円〜900円水準の節目を抜けてきました。今度は上値の節目である9200円から300円水準を試すことになるのでしょうが、円高が是正されない限り、8800円〜900円水準の節目での底堅さを確認する場面もあるのでしょうし、円高を嫌気する動きが出ると8800円〜900円水準を上値とするようなもみ合いに戻る可能性もありそうです。いずれにしても当面は上値の重さを確認することになると思います。

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