北朝鮮総書記死亡のニュースで大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年12月19日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8296.12円 ▼105.60円
売買高 14億3535万株
売買代金 8100億9400万円
値上がり銘柄 449銘柄
値下がり銘柄 1109銘柄
騰落レシオ 92.00% ▼2.19%

日経平均

クリスマス休暇前の手仕舞い売りが嵩むところで、北朝鮮総書記死亡のニュースで大幅下落

 先週末の米国市場はまちまちとなり、為替も比較的落ち着いていたのですが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり、クリスマス休暇前の持高調整の売りに押されて軟調となりました。それでも、売り急ぐだけの材料もなく、逆に手仕舞いの買戻しなどもみられいつものことではあるのですが、方向感に乏しい閑散とした相場展開となりました。指数は全くといっていいほど寄り付きの売り買いが一段落となったあとは動きはなく、膠着状態となりました。

 後場も大きな動きはないだろうと思われていたところで、北朝鮮の金総書記死亡のニュースが流れ、とりあえずリスクを回避する動きや韓国株などの下落を見て慌てて売り急ぐ動きもみられ、一時大幅安となりました。その後韓国市場や為替相場なども落ち着いたことから今度は買戻しを急ぐ動きもあって戻り歩調となりました。北朝鮮のリスクを気にする向きや世界的な景気鈍化懸念が根強いなかでクリスマス休暇前の手仕舞い売りもあって戻りも鈍く、底堅い展開で、買戻しあったのですが、大幅安となりました。

 小型銘柄も見切売りや持高調整の売りに押されて軟調となるものが多くなりました。ジャスダックTOP20は大幅安、二部株指数、東証マザーズ指数は軟調、日経ジャスダック平均は小幅安となりました。先物も昼の時間帯から後場にかけてまとまった見切売りや下値を試すような売りもみられましたが、底堅さが確認されると今度は買戻しのタイミングを計ることになり、最後は指数を押し上げるような買戻しが入り下げ幅縮小となりました。

 北朝鮮のニュースに慌てふためく場面もありました。市場のコメントなどは揃って「地政学リスク」などと弱気な見方が多かったのですが、冷静に考えてみると経済的な影響は、そして直接的な政治的な影響も少なく、市場へのインパクトは特にないのではないかと思います。北朝鮮の「次」の体制が固まったからこそ死亡が発表されたわけで、北朝鮮が落ち着くまではリスクが高いというよりも混乱のリスクが低いから発表したと考えていいのではないかと思います。こうしたときこそ冷静な対処が必要ということでしょう。

テクニカル分析

日経平均

 基準線に上値を押さえられた「孕み足」を下に放れたことで調整となっています。遅行線も日々線に押されており、軟調な展開が続きそうです。それでもRSIはまだ下落が続き下値余地もあるのですが、ストキャスティックスは底値圏にあり、底堅さもみられると思います。

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