「今の家賃並みの支払いでマンションが買えます!」――。こうした広告を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
賃貸マンションは毎月家賃を払っても、決して自分のモノにはなりません。「家賃の支払いがもったいないなあ」と思っている人がこうした広告を見て、「家計の負担が同じならいっそのこと買っちゃおうか!」という気になるのかもしれません。
しかし家賃並みの支払いで、マンションを購入することはできません。もちろん都市部にある高級賃貸マンションに住んでいれば、郊外にある一般的な分譲マンションは買うことができるでしょう。このコラムでは、一般的なビジネスパーソンが広告のフレーズにだまされずに、賢く家を購入する方法を紹介します。
なぜ「家賃並みの支払いで……」という広告表現ができるようになったのでしょうか。その理由は、住宅ローン金利が低くなったから。しかし「家賃並み」という広告をよく見ると、小さな字でこのような条件が書かれています。
「35年返済、変動金利0.875%で計算しています」
つまり、特別優遇の一番低い水準のローン金利で、最長の35年返済を前提として計算しているのです。この条件であれば「3000万円」の住宅ローンを組んでも、毎月の支払額は「8万3000円」ほど。
これなら確かに家賃並みに見えます。でも、この0.875%というのは「変動金利」。変動金利は上昇する可能性があるので、今のような史上最低金利が今後35年間ずっと続く、と考えるのは危険です。金利が上がれば返済額はどのくらいになるのか――このことをよく考慮しておくことが大切です。
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