市場規模1000億円を突破、拡大するオンラインゲーム市場
市場規模と会員数を伸ばしているオンラインゲーム市場。ゲームタイトルの増加が背景にあるが、不安もある。1人あたりの月平均売上が減少しているのだ。
オンラインゲームの市場規模が1000億円を突破したことが明らかになった。関東経済産業局が事務局を務める「首都圏情報ベンチャーフォーラム」の「オンラインゲームフォーラム」が調査したもので、2004年は570億円、2005年は820億円と市場規模を伸ばし続けている。「ファミ通ゲーム白書2007」によれば、2006年の日本国内の家庭用ゲーム業界は、ソフトとハードを合わせた市場規模が6257.9億円だった。
日本オンラインゲーム協会の川口洋司事務局長は「2006年は対前年比124%の1015億円となった。2007年も120%増の1200億円規模を見込んでいる」との考えを示した。
オンラインゲームの登録会員数も増加しており、2004年の調査と比べ2倍以上の4000万人を突破した。会員数増加にはゲームタイトル数が対前年比108%増の474タイトルという背景があったほか、XBox向けのゲームタイトルも増えている。「2007年もゲームタイトルは微増だろう。ゲームタイトルの増加に伴ってユーザーの遊ぶ時間が増えていく傾向がある。1人が多くのゲームで遊ぶため、全体の会員数が増えている」(川口氏)と分析する。
ただ、ゲームタイトル増加による弊害も出ている。ユーザーの遊ぶ時間は増えたものの、1ゲームのプレイ時間は短くなっている。そのため1人あたりの月平均売上が対前年比で減少した。「ゲームタイトルが増えすぎて、ユーザーが拡散傾向にあるのでは」(川口氏)と危惧する。
日本オンラインゲーム協会を発足
オンラインゲームの関係者を会員とした「日本オンラインゲーム協会」が6月28日に発足した。オンラインゲームの啓発および認知向上のため、シンポジウムの開催や関係省庁との連携を強化していく方針を示した。6月26日現在の会員企業は25社(準会員含む)で、今後も会員数を増やしていくという。
一方で、市場規模が拡大したため、様々な課題に対応していく構えだ。植田修平会長は「安定したサービスを提供するため、各社は運用面での対応が必要だ。さらにユーザー同士のトラブルやマナー違反などがあり、マーケット拡大のためには諸問題を解決しなければならない」と述べた。
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