任天堂の目標株価7万円に、過熱気味の声も
任天堂の業績予想修正を受け、アナリストによる目標株価引き上げが相次いでいる。一方で「上昇幅が大きすぎる」と分析するアナリストが予想する株価は……。
任天堂(証券コード:7974)の株価が7月26日に急騰し、ストップ高の6万1800円で取引を終えた。任天堂は7月25日に2008年3月期の業績予想を修正、連結営業利益が前期比64%増の3700億円になる見通しだと発表した(7月25日の記事参照)。これを受け任天堂の株価は連日の上場来高値を更新し、時価総額は8兆6000億円を突破。三井住友フィナンシャルグループ(証券コード:8316)とNTT(証券コード:9432)の時価総額を追い抜き5位となった。
通期見通しの上方修正のほか、2008年3月期の年間配当を960円と発表。前回予想の年間700円を上回り、前期実績から270円の増配となる。通期の売上高は45%増の1兆4000億円、経常利益は42%増の4100億円、最終利益は41%増の2450億円で、いずれも上方修正した。
業績予想の修正幅は予想以上との見方が強く、アナリストの目標株価引き上げが相次いでいる。日興シティグループ証券が7万2000円、マッコーリーグループが7万4000円としている。
一方で「上昇幅が大きすぎる。あきらかに過熱気味だ」と、懸念の声も挙がっている。あるアナリストは「2008年3月期第1四半期決算前に空売りをしていた投資家が多かったのではないか。業績予想の修正が予想以上だったので、空売りの投資家が一斉に買い戻しに動いただけ」と長期的な上昇は見込めないという。決算が出たので「材料出尽くし」ということで、今後の株価は調整すると見ている。
空売りの買戻しがあった7月26日の始値5万9800円――つまり「6万円前後でもみ合いが続くだろう」(同)と予測する。ただ関係者の間では「さらに上方修正の余地は残っている」という見方が強い。同社のニンテンドーDSとWiiが予想以上に好調とはいえ、どこまで株価は上昇するのだろうか(7月6日の記事参照)。
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