値上げされても、同じメーカーの食品を買いますか?
食品メーカーの値上げが続いている。消費者の認知度・関心は高く、値上げを「仕方がない」と理解しているが、「企業努力」を求める声が目立った。C-NEWS調べ。
原材料や原油価格の高騰を背景に、食品メーカーの値上げが相次いでいる。食品メーカーにより値上げが発表されたことを知っている食品は「小麦粉」が最も多く56%、次いで「菓子」の53%、「カップめん」の51%であることが、C-NEWSの調査で分かった。
ヤフーバリューインサイトのC-NEWSは「食品の値上げ」に関する調査を実施した。インターネットによる調査で、15歳以上の女性300人が回答。調査期間は10月14日から10月15日まで。
食品の値上げ、知っている人は9割
半年ほどの間に食品の値上げが相次いでいることを、「知っている」と回答した人は9割に達した。年代別でみると20代以上で93%、10代でも75%が認知している。
値上げの理由を「知っている」の30%と、「なんとなく知っている」の40%を合わせると、認知者は7割。「知らない」と回答した人は30%だったが、そのうち約5割が10代だった。
値上げの理由を「知っている」と「なんとなく知っている」の回答者に、その理由を聞くと「バイオエタノール」「石油高」「オーストラリアでの小麦の不作」などの声が多い。「なんとなく知っている」とした人は、「原油高」の意見が目立った。
値上げをしても、継続して購入するのは「菓子」と「ハム・ソーセージ」が75%
継続して購入している商品が値上げをしても、「同じメーカーの商品を購入」「たぶん購入」の合計が多かったのは「菓子」と「ハム・ソーセージ」がいずれも75%に達した。一方、継続して購入する人が最も少なかったのは「パスタ」で64%だったが、値上げによって他のメーカーの商品を買う人は、少数派であることが明らかになった。
食品の値上げについては「仕方がない」という回答が多い一方、「包装の簡易化」や「流通経路の見直し」など、企業努力を求める声も多い。「仕方がないと思う。だが大手企業が値上げをすると、他企業までもが安易に値上げをしている様子がうかがえる」(25〜29歳・会社員)、「もう少し分かりやすく報道してほしい。流通経路など徹底的に見直しをし、各生産者及び関係企業はコスト削減に留意し、食の安全に努めてほしい」(40〜44歳・パート)などの厳しい意見があった。
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