Second Lifeでもらったクーポン、おサイフケータイに NECがデモ
Second Lifeでもらったクーポンをおサイフケータイで使う――NECがこんな仕組みを開発した。バーチャルとリアルをつないだ新サービスとして、企業に活用してもらいたいという。
3D仮想世界「Second Life」でもらったクーポンをおサイフケータイに転送し、コンビニで使う――こんなサービスのデモが、NECの技術やサービスを紹介するイベント「iEXPO 2007」(12月7日まで、東京ビッグサイト)で行われている。Second Lifeに参入したものの、活用法が分からないという企業に使ってほしいという。
おサイフケータイにクーポンなどを発行できる同社のアプリ「トクトクポケット」を活用した。
Second LifeのSIM「トクトククーポン島」にバーチャルクーポン発行端末を設置。端末をクリックして画面の指示に従い、PCに接続したFeliCaリーダーに携帯電話をかざすと、ドリンク無料クーポンなどがもらえる。クーポンは、FeliCaリーダーが設置されたコンビニや自動販売機で使える仕組みだ。
「Second Lifeに参入したものの、どうやって活用するのか分からないという企業も多い。トクトククーポンを使えば、バーチャルとリアルを連携できる」(説明員)
携帯電話を自動翻訳機に
携帯電話で動かせる組み込み用自動翻訳ソフトも展示している。日本語で話した文章を認識し、約1秒で英語の翻訳結果を携帯画面に表示する。旅先での会話などで利用することを想定し、約5万語に対応した。
音声認識エンジンと機械翻訳エンジンを、携帯のCPUやメモリでも動くよう最適化した。音声認識エンジンは、音見本の量や詳しさを調節。機械翻訳エンジンは、辞書の内容を見直したほか、データ構造を最適化し、辞書や実行系のファイルサイズをPC向け翻訳ソフトの約半分にした。ファイルサイズはまだ大きすぎるといい、実用化に向けて開発を進める。
同社は1983年から自動翻訳の技術の開発を始め、91年に自動翻訳専用装置を試作した。「91年当時の装置は、高さ約1メートル、幅と奥行きが60センチほどある大きなものだった。そこから小型化に挑戦してきた」(説明員)
蛍光灯から給電する無線LANネットカメラで工事コスト削減
蛍光灯から電力を得る無線LANネットワークカメラも展示している。蛍光灯の電流による電磁誘導と、蛍光灯端子から取得した電力を合わせて給電する仕組みで、リング状の専用装置を蛍光灯に取り付け、カメラに接続するだけで設置完了。電源ケーブル配線工事が必要ない。
「通常、防犯カメラなどを設置する場合は、カメラの価格と同じくらいの工事費がかかるが、蛍光灯から給電し、無線LANを活用すれば、配線工事が不要。設置コストを削減できる」(説明員)
カメラで撮影した映像をPC上で再生し、オフィス内で社員の在籍状況や会議室の空き状況を確認する――といった用途を想定しており、製品化に向け開発を進める。
蛍光灯から給電するこの仕組みはすでに実用化されており、例えば、工場向けサービスとして、赤外線とRFIDを使って商品の位置情報を管理するシステム「Smart Locater」などで活用されている。
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