2008年の景気見通しについて「悪化」を予測する企業が43.1%に達し、2007年と比べると11.3ポイント増加していることが、帝国データバンクの調べで分かった。また「踊り場」局面を予想する企業は28.2%(同−19.1ポイント)に減少するなど、2008年は踊り場から悪化する懸念が高まっているようだ。
帝国データバンクは「2008年の景気見通し」に関する調査を実施した。調査対象は全国2万292社で、回答した企業は1万131社(回答率49.9%)。調査期間は11月20日〜30日まで。
「原油・素材価格」が景気に悪影響
2008年の景気見通しを規模別でみると、「回復」の割合は「大企業」(4.9%)と「中小企業」(5.2%)間では大きな差はなかった。しかし「悪化」の割合は、「中小企業」(44.6%)が「大企業」(38.0%)よりも6.6ポイント上回った。業界別でみると、多くの業界で「悪化」の割合が4割を超える中、「建設」(47.9%)、「小売」(47.3%)、「農・林・水産」(46.4%)が目立った。地域別では「北陸」(51.6%)と「北海道」(50.7%)で、「悪化」を見込む企業が半数を超えた。
景気の悪影響を及ぼす材料は「原油・素材価格」が92.4%で断トツ、次いで、「米国経済」の45.5%、「為替(円高)」の30.0%と続いた。企業からは「サブプライムローン問題や原油高など不確定要素が多い」(情報サービス業、東京都)など、不透明感を懸念する声が多かった。
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