個人投資家の間で“弱気ムード”、一方でディフェンシブ銘柄に注目
不安定な相場が続いているため、個人投資家の心理は“弱気”のようだ。サブプライムローン問題で損失を出した金融セクターが低迷、一方で景気に左右されない業種に注目が集まった。
3カ月後の株価見通しについて、個人投資家の間では“弱気ムード”が漂っているようだ。野村證券が市場全体の心理状態を示す「ノムラ個人市場観指数」を調査したところ、株価の見通しを指数化したDI(ディフィージョインインデックス)は11月は42.0だったが、12月は21.0と半分に低下。2006年4月の調査以来、最低の水準を示した。指数は−100から+100までの範囲で推移し、プラスの幅が大きいほど個人投資家は市場に対し“強気”と判断される。
個人投資家の心理が弱気な状況について、野村證券では「米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)に端を発した株安の長期化や原油価格の上昇に対する懸念が高まった」ことを理由に挙げている。また過去3カ月間の株式取引の状況は、取引を減らす動きが目立った。保有銘柄数も「減らしたい」という回答が多く、「株価低迷の長期化で潜在的な株式投資意欲も減退してきた可能性が考えられる」としている。
野村證券の金融経済研究所は、個人投資家の投資動向などを調査した。インターネットによる調査で、1000人が回答。保有金融資産は200万円未満が23.3%、200〜500万円未満が19.4%、500〜1000万円未満が18.4%、1000〜3000万円未満が24.4%、3000万円以上が14.5%。調査期間は11月21日から11月22日まで。
注目する業種は「医薬品・ヘルスケア」がトップ
今後3カ月、注目する業種は「医薬品・ヘルスケア」が最も高く、次いで「情報・通信」「資源関連」となった。株式市場が低迷を続ける中、景気の動向に左右されにくいと言われるディフェンシブ銘柄(医薬品・ヘルスケア)への注目が集まったようだ。また原油の高騰が続いているため、資源関連の人気も高かった。
一方で下位3業種は、「金融」「建設・不動産」「運輸・倉庫」が入った。サブプライムローン問題に絡み、銀行や証券会社が損失を出したため、個人投資家も金融セクターに魅力を感じていないようだ。
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