テイクアウト中心「紅茶専門店」は成功するか? ――紅茶エスプレッソカフェ「ハッティー」(2/2 ページ)
東京・恵比寿にオープンした「tea espresso HATEA」は、1杯300円前後、テイクアウトも重視するなど、シアトル系コーヒーカフェを意識した新しいスタイルがウリ。“紅茶なのにエスプレッソ”の狙いとは?
紅茶を淹れる“エスプレッソマシン”は「世界初」(栗原氏)
秘密兵器とは、「紅茶用に改良したコーヒー用エスプレッソマシン」。栗原氏によれば、「世界初」だという。業務用エスプレッソマシンは浸透圧の力を利用して、焙煎したコーヒーの濃縮エキスを抽出するもので、あくまでコーヒー用だ。
同社はこの機械のフィルター部に独自の工夫を施し、オリジナルマシンに改良。さらに主な茶葉3種をさまざまな配合でブレンドしたり、茶葉を砕くサイズを変えたりと、試行錯誤を繰り返した。理想の配合と茶葉サイズにたどり着くまで「1年半かかった」(栗原氏)という。
こうして同社がコーヒー用のエスプレッソマシンのフィルターを工夫して、紅茶用のエスプレッソマシンを作った結果、手軽に本格的な紅茶が提供できるようになった。
ひじきにがんも、紅茶と相性がいい充実のフードメニュー
また、同店では「紅茶と相性がいい」という豊富なフードメニューをそろえる。自家製メニューの「豆腐とひじきのがんもサンド(460円)」を試食したところ、やさしい味付けのがんもが実にジューシーで、非常においしかった。一緒に飲んだ「ティーラテ」が、ほんのりやさしい味わいだったことを考えると確かに相性もいい。
筆者は週2回はコーヒー系の既存カフェに通っている。これはあくまで個人の感覚だが、どの店のフードも、パサパサしていたり味が濃かったり具がお情け程度の量だったりと、「とりあえずメニューとして置いてます」感のある店が少なくない。それだけに試食したサンドイッチのおいしさに驚いた。
ハッティーでは、今年中に都内でもう2店舗増やす予定で、5年以内に30店舗まで拡大する計画を立てているという。象のような足取りで、のっしのっしと既存カフェ業界を揺るがすことになるかならないか――。動向が楽しみだ。
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