MasterCard Worldwideは6月9日、世界ビジネス都市度ランキング「2008 MasterCard Worldwide Centers of Commerce Index」を発表した。世界各国の都市を、市場と商取引の観点を中心にランク付けたもので、今年の調査ではアジアの都市が今後、影響力を持つ可能性が高くなることを示した。
世界経済に影響を及ぼす都市は、昨年に引き続き1位はロンドン、2位ニューヨーク、3位東京となった。今年の調査から大阪市が加わり、大阪市は世界ランキング全75都市中で19位、アジア/太平洋地域では6位だった。アジア/太平洋地域、経済アドバイザーのユワ・ヘドリック-ウォン博士は「東京は今年もアジアの中で最強のグローバル都市で、特に巨大な東京の金融市場と資本の流れを強めている知識創造や情報の流通の良さが際立っている」と分析した。
世界ビジネス都市度ランキング、機軸1.法律・政治上の枠組、2.経済安定性(経済変動率)、3.ビジネスのしやすさ、4.金融、5.ビジネス・センター度、6.知的財産・情報、7.住みやすさ(出典:MasterCard Worldwide)
アジアの都市が大幅にスコアを上げた
世界第1位のロンドンと各都市を比較して相対的な指数で見てみると、昨年から今年にかけて、10都市が大幅にスコアを上げるという結果となった。この10都市はモスクワ、シンガポール、テルアビブ、ボゴタ、ムンバイ、ローマ、アムステルダム、上海、パリ、ミラノで、うち4都市がアジア/太平洋、中東アフリカ地域だった。
アジアの都市が大幅にスコアが上げている理由として、同社の経済調査グループを統率しているマヌー・バスカラン氏は「各国の政府がグローバルな経済活動で、大きなシェアを得ようとしている。中でも上海は、アジアへの金融及び物流のゲートウェイとして、歴史的に優位な立場を引き続き活用しており、今後15年から20年のうちに、ランキングの上位3都市を脅かすだろう」という。
ビジネス都市度ランキングは学術組織と調査機関の経済学、都市開発、社会科学の専門家8人による、調査パネルによってまとめられた。まず75都市を選択し、7つの機軸(法律・政治上の枠組、経済安定性、ビジネスのしやすさ、金融、ビジネスセンター度、知的財産・情報、住みやすさ)によってランク付けした。
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