駅員らへの暴力が過去最高、3年で35%増
生活の足として多くの人が利用する電車。しかし近年、電車利用者の駅員らに対する暴力行為が増えていることが分かった。日本民営鉄道協会などの調べ。
アルコールで失敗した経験のある人は多いだろう。居酒屋で騒いで追い出された、気が付いたら道路の真ん中で寝ていた――そんな酔っぱらいの暴走に鉄道各社も悩んでいるようだ。
日本民営鉄道協会(協会)などの調査によると、鉄道21社(大手民鉄16社、JR3社、東京都交通局、大阪府交通局)で2007年度に発生した暴力行為の数は748件と、過去最高に達していることが分かった。記録を取り始めた2004年は554件だったが、この3年で35%の増加。JR東日本では「鉄道事情の変化というよりは、社会情勢の変化が関係しているのではないか」と分析している。
協会によると、「終電後に駅で寝ている人に声をかけたら殴られた」、「お客さん同士のケンカを仲裁しようとしたら巻き込まれた」、「禁煙エリアでの喫煙を注意したら暴力を振るわれた」といった暴力行為が多い。
暴力行為をした加害者の年代をみると、30代が22.0%、60代以上20.6%、40代19.7%、50代19.7%と年代による差はそれほどないが、加害者の61.0%がお酒を飲んでいたようだ。そのため、月別の発生件数では、忘年会などで飲酒する機会が増える12月が最多で91件。曜日別では日曜が最も多く121件、金曜(112件)、土曜(112件)と週末が上位を占めた。また、時間当たりの発生件数でも17時〜22時が一番多くなっている。
暴力行為の増加を受け、鉄道各社では7月15日からポスターを駅構内や車内に貼って暴力行為防止を呼び掛けていく。
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