ここは住まいの博物館――リビングデザインセンターOZONE:大出裕之の「まちと住まいにまつわるコラム」(1/2 ページ)
東京都・新宿にある「リビングデザインセンターOZONE」では、住まい・インテリア・デザインなど家に関するさまざまな情報が手に入るほか、セミナーや展示会も開催している。また、家を建てようと思っている人はアドバイスを受けることもできるのだ。
東京都・新宿にある「リビングデザインセンターOZONE」をご存じだろうか。もしご存じなら、あなたの“住まい感度”は高い。ご存じない方でも、これを機会に知っていただいて損はない。
OZONEは、東京ガスグループのリビング・デザインセンターが運営する、住まい・インテリア・デザインの総合情報センターだ。OZONEは図書館とデータベースにイベント会場を足したような施設で、セミナーを開いたり、コンサルティングも受けたりすることもできる。
セレクトされたブランドが並ぶショールーム
OZONEにはショールームが30ブースあり、家具、カーペット、ファブリック、輸入壁紙、システムキッチン、エクステリア、タイル、バスタブなどがそろっている。それも単に種類が多いというだけではなく、“セレクト”されているのだ。好奇心豊かな方なら、時間があっという間に過ぎること請け合いだ。
単なる資料室ではない情報バンク
OZONE情報バンクでは、国内外の建築・インテリア・デザイン関連の書籍が数千冊、雑誌のバックナンバーも約1万冊収蔵している。そのほかにもキッズ向けの本や、メーカー800社の最新カタログ約7000冊、ビデオなどもある。住まいやインテリアの本にハマって読みふけった経験がある人なら、天国のような空間だろう。
これだけの資料に加えて、住まい作り全般の相談に応えるリビングコンサルテーションを実施、専門家のアドバイスが受けられる。また、「自分らしい住まいを作るためのパートナーとして、建築家を紹介して欲しい」という具体的なニーズが高まってきたことから、2000年から「OZONE家づくりサポート」などの有料サービスも段階的に増やしている。
リビング・デザインセンターの住宅ソリューション部長、塚田司朗氏は「我々は設計契約を結ぶわけでもなく、施工を請け負うわけでもありません。建主と依頼先がコミュニケーションする際のリスクを極力減らすことが目的です。建主と依頼先と(建主の後見人的スタンスの)OZONEが三位一体となって、建主の自分らしい家作りをサポートしたいと考えています」と語る。
家は人生で1回あるかないかの大きな買い物なので、経験豊富な消費者などまずいない。OZONEはコンサルタントとして有料サービスを行っている。最初から最後まで――依頼先探しから竣工までという場合、「建築家コース」「工務店コース」「住宅メーカーコース」という基本コースがあり、それぞれ31万5000円から受け付けている。
具体的には以下の7つがポイント。現在約10名の専門スタッフがおり、数百人がこのサービスを通じて家を建てた。
- 家作り計画の進め方や優先順位をアドバイス
- 「建主中心の家作り」という主旨を理解してくれる建築家リストがある
- 依頼先の選定アドバイスと提案時の立会い
- 契約書など書類の整備
- 実施設計図面完了時の確認立会い、完成時の仕上げ状況確認
- スタッフはすべて建築士などの有資格者で、不動産コンサルタントやファイナンシャルプランナーなどとも連携
- 工務店や工事会社の万が一に備えた完成保障制度、瑕疵(かし)保障制度
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