あなたの買ったその商品、CO2排出量は何グラム?――経産省:エコプロダクツ2008
ある商品が生産から廃棄までのすべての段階で排出するCO2を算出・合計して表示する「カーボンフットプリント」。エコプロダクツ2008では、経済産業省がカーボンフットプリントを表示した商品サンプル54品目を出展していた。
「環境にやさしい」とうたう商品でも、よくよく調べてみるとそれは一面の真実に過ぎないということがある。例えば省電力をウリにする電化製品でも、生産する時に従来製品より多くの電力を使用しているため、逆に環境によくないという場合もあるのだ。そこで今、注目が集まっているのが「カーボンフットプリント」という仕組みだ。
カーボンフットプリントとは、ある商品の原料採掘段階から生産、使用、廃棄までのすべての段階で排出されるCO2を算出・合計し、表示することを言う。
エコプロダクツ2008では経済産業省がカーボンフットプリントを表示した商品サンプルを数多く出展し、来場者の人気を集めていた。
官公庁の展示では珍しいほどの人気
カーボンフットプリントを表示した商品サンプルは、協力する30社から集めた54品目。単にCO2排出量を示すだけではなく、どの段階でどれだけCO2を排出するかといった詳細も合わせて紹介している。CO2排出量を算定するに当たっては、2008年度の経済産業省の研究会・検討会で検討されたルールと計算手法に基づいたという。
例えば日清食品ホールディングスのチキンラーメンは、どれだけCO2を排出するのだろうか。詳細を見ると、原材料調達で80グラム、商品生産で51グラム、商品輸送で7グラム、商品販売で17グラム、商品使用で21グラム、商品廃棄で10グラムと、合計186グラムのCO2を排出すると示されている。
ちなみにこれは、熱湯400ミリリットルを注いで作った場合のCO2排出量で、450ミリリットルの熱湯で1分間煮込む場合、CO2排出量はさらに14グラム増えることになる。
官公庁の展示は地味になりがちで訪問者が少なくなるのが通例なのだが、この展示は珍しく人気を集めていた。そして、訪問者はそれぞれの商品がどれだけCO2を排出するかを確認しては、「へえー」といった感嘆の声をあげていた。
実際にこの記事でも、それぞれの商品の生産から廃棄までにどれだけCO2が排出されるかを考えてみよう。以下の画像をクリックすると、その商品のカーボンフットプリントを表示する。
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