コラム
さようなら、Mr.スポック!――新しい経済学「行動ファイナンス」って何?:現役東大生・森田徹の今週も“かしこいフリ”(2/4 ページ)
「行動ファイナンス」の意味を知っている人はどのくらいいるのだろうか。筆者の森田氏も詳しくは知らなかったが、『行動ファイナンスの実践』(ダイヤモンド社)を読み、「これは儲かる!」と思ったという。その行動ファイナンスとは一体……?
行動ファイナンスを“かじる”
とはいえ、行動ファイナンスは実証重視の学問なので個々の知見がバラバラに観測されているに過ぎず、既存の経済学を発展させ整合的に説明する“それっぽい”モデルというのがプロスペクト理論くらいしかない。
というわけで、以下には英語版のWikipediaを抄訳した主なトピックを掲載しておくので、これを見ながらいくつかの知見を“かじって”みよう(可能な限り日本語文献へのリンクを貼った)。
ヒューリスティック
フレーミング
経済的な振る舞いについてのアノマリー
市場価格や収益についてのアノマリー
ざっとだけ触れておくと、ヒューリスティックとは発見的問題解決のことで、人が誰しも持っている問題解決のためのおおざっぱなルールのことだ。またフレーミングとは、実際には存在しないのに人が物事を判断するときに勝手に依存する枠組みのことである。アノマリーとは前述の通り、理論に基づかないさまざまな経験則のことである(例外事象)。
以下ではこれらの中からいくつかを取り上げて行動ファイナンスとの関わりを見てみよう。
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