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インタビュー

相撲八百長疑惑の記事に4290万円。しかしまだ戦える――『週刊現代』加藤晴之前編集長集中連載・週刊誌サミット(3/3 ページ)

スクープを追い続ける週刊誌にとって、訴えられることは“日常茶飯事”の出来事なのかもしれない。賠償請求総額が24億円を超える『週刊現代』の加藤前編集長は、訴えられることについてどのように考えているのだろうか?

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 僕は何度か被告席に座ったが、あの法廷の様子を公開すれば、みなさんはどのような印象を受けるだろうか? こちら側の質問に対し、朝青龍はニヤニヤしていたのだ。

 (訴訟を起こされた場合)立証責任も大変だが、それ以上に我々には情報源の秘匿という大ハンディキャップがある。どこでどういうことをしたかなど、ディテールを書かなければならない。しかしディテールを詳しく書くと、情報源の秘匿が破られてしまう。そのためギリギリのところで質疑応答をしていった。こういうやりとりを(法廷で)ご覧になれば、みなさんの印象も変わったかもしれない。

 一審の判決が出たとき、私は会社を辞めようと思ったが、今ではちょっと止めようと考えている(笑)。実際、控訴している最中で、どういう戦略で裁判に臨むかということを考えなければならない。現場の方針もあるので、僕自身は声高に言えないが、まだ十分に戦えると思っている。またみなさんは忘れていると思うが、八百長キャンペーンのあと相撲は面白くなった。

 一番重要なのは、つまらない相撲をとることで誰が迷惑してきたか。また財団法人の相撲界の中で集団リンチが行われたり、前近代的な体質がまだ残っている。そこをどういう風に正していき、面白い相撲にしていくか。私は非常に公益性の高いテーマだと思っている。

元木: 判決が出た翌日の朝日新聞には「杜撰な取材に警鐘」などと書かれていた。個人的に八百長問題の取材は決して杜撰ではないと考えている。もちろん抜けている部分もあったかもしれないが、「杜撰な取材に警鐘」と書く、朝日新聞社というのはやはりマヌケなんだなと(笑)。自分たちの取材を振り返ってほしいものだ。

 →「なぜ週刊誌は訴えられるようになったのか?」に続く

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