コラム
経営陣が若いほど高収益って……本当?(2/2 ページ)
「40代社長」というのが、ニュースになりにくくなった昨今。取締役の平均年齢が若い企業ほど、収益力が高いというデータがある。年齢と収益力に何らかの“関係”があるとしたら、それはどんなものだろうか?
若いほど過去にとらわれず、失敗を恐れない
では今の40代は、以前の50代、60代と情報経験量において差がそれほどないとしよう。仮にそうだとしたら、若い役員が多いほど高収益を上げることができるメカニズムについて考えてみる。
そんなものがあるとしたら、それはハイリスクハイリターンのメカニズムだと思う。つまり若い人の方が年輩の方より失敗を恐れないし、とらわれる過去(の成功体験)も少ない。だからリスクを取る意思決定をしやすい。従って若い役員に事業を任せきることができれば、ハイリスクハイリターンな策を取る確率が高まるだろう。
もちろんハイリスクであるから失敗する可能性も高いわけだ。しかし、当たればでかいのである。そして高収益を上げるためには、大ヒットを飛ばすことが必要な環境になってもいる。さらに万が一、失敗したとしても定年間際での失敗と40代での失敗を比べれば、若い方がダメージを小さく抑えることができる。やり直しも効く。そしてやり直すときには、過去の失敗体験が必ず生きてくる。
といったメカニズムがあるとしたら、若い役員が多いほど高収益になるという話も納得できなくはないと思うのだが、いかがだろうか。(竹林篤実)
※参考文献:日経産業新聞2008年6月23日、日経MJ新聞2008年6月23日
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