テレビに出演して分かったこと……それは“見えない空気”という圧力：上杉隆×ちきりん「ここまでしゃべっていいですか」（2/2 ページ）

ジャーナリスト・上杉隆氏と社会派ブロガー・ちきりんさんの対談9回目。フジテレビの『とくダネ！』など、たくさんのテレビ番組に出演している上杉氏は「（スタジオで）見えない空気が漂っている」という。その見えない空気とは……？

[土肥義則，Business Media 誠]

メディアのインナーサークルの人たちは減点主義

社会派ブロガーのちきりんさん

上杉　以前、ある新聞社主催の講演会に講師として呼ばれたのですが、その前にお偉いさんが話しかけてきたんです。そのお偉いさんは「上杉さんすいません。今日は記者クラブの話はちょっと……。ウチもいろいろとあるもんですから。そのほかのことについては、どーぞご自由にお話ください」と言ってきたんです。

　そして講演が始まった瞬間、僕はこのように言いました。「本日は世襲議員の話をしようと思ったのですが、打ち合わせで『記者クラブの話は言わないでくれ』と言われたので、あえて記者クラブの話をさせていただきます」と（笑）。お偉いさんの顔は強張っていましたが、若い記者からはあとで拍手をいただいた。

ちきりん　マーケットは記者クラブの廃止を望んでいます。だけどメディアのインナーサークルの人たちは減点主義なので、波風を立てたくないということですね。

上杉　そして講演が終わったあとに、お偉い人に「もう僕、呼ばれないですよね？」と聞いたんです。ふつう「そんなことないですよ」とか言われますよね。でも、そのときは「いや、まあ……」といった答えが返ってきました。正直な人です（笑）。

　最終回へ続く。