コラム
砂の中に頭を入れているダチョウ……それがメディアの姿:上杉隆×ちきりん「ここまでしゃべっていいですか」(2/2 ページ)
ジャーナリスト・上杉隆氏と社会派ブロガー・ちきりんさんの対談もいよいよ最終回。ニューヨークタイムズの支局長は日本のメディアについて「砂の中に頭を入れているダチョウだ」と揶揄(やゆ)する。その意味とは……?
日本語が最大の障壁
上杉 しかし……日本のメディアはどうにもならないなあ(笑)。
ちきりん ハハハ。
上杉 終わっているというか……。小泉元総理ではないけど、あきれるというよりも……笑ってしまうというか。
ちきりん しかも視聴者や読者に、面白くないということがバレてしまっている。だから視聴率や購読部数が減ってしまって……。
上杉 だけど本人たちは、どこに問題があるのか気付いていない。それはまさに、砂の中に頭を突っ込んでいるダチョウの姿。すでに金融や農業などの業界は国際競争力にさらされていて、変わることを余儀なくされているのに、メディアだけは変わらない。その理由を考えてみると、日本語が最大の障壁になっていると思う。
海外のメディアが参入しようと思っても、日本語という壁があるから参入が難しい。でも言語変換ソフトが進歩すれば、今後どうなっていくか分からないと思う。
ちきりん 今の変換ソフトはきれいに訳してはくれないけれど、なんとなく意味は分かりますよね。
上杉 もしきれいに翻訳できるようになると、海外の新聞を読んでそのスタイルを知る人が増えるようになるでしょう。そうなると、ますます日本の新聞が読まれなくなるでしょうね。(終わり)
編集部よりお知らせ
Business Media 誠では8月14日(金曜日)より、ちきりんさんの新連載「ちきりんの“社会派”で行こう!」がスタートします。こちらもお楽しみに。
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