電子書籍を利用したい理由と利用したくない理由
電子書籍のことを知っているという人はどのくらいいるのだろうか。楽天リサーチの調査によると、“知っている”という人は7割ほど。中でも10代の認知率が目立った。
書籍をデジタル化し、PCや携帯電話などで読む電子書籍。今後拡大が予想されるが、電子書籍のことを知っている人はどのくらいいるのだろうか。楽天リサーチの調査によると、「よく知っている(やや知っているを含む)」と回答した人は7割近くに達していることが分かった。年代別に見ると、10代の認知が全体平均に比べ13.3ポイント高く、認知の高さが際立った。
今後、電子書籍を利用したいと思っている人はどのくらいいるのだろうか。「利用したことはないが、今後利用したい」という人は33.2%に対し、「利用したことはないし、今後も利用したくない」は43.3%。電子書籍を利用したいという人に、その理由を聞いたところ「何冊も書籍を持ち運ぶ必要がなく、手軽になるから」が最も多く55.2%、次いで「すぐに欲しい書籍を購入し、手軽にダウンロードすることができるから」(50.4%)と続いた。
一方、利用したくないという人に、その理由を聞いたところ「電子画面で文字を読むのが疲れるから」が60.1%でトップ。次いで「紙で読む習慣がついているから」(45.8%)、「読んだ気がしないから」(31.2%)が続いた。「PCや携帯電話が普及したとはいえ、書籍を読むという行為においては、利便性より従来の読み方を重視する傾向があるようだ」(楽天リサーチ)
電子書籍を利用したいという人は、購読にあたりどの端末を使ってみたいと考えているのだろうか。最も多かったのは「PC」で75.0%、次いで「携帯電話の端末」(43.0%)、「電子ブック」(17.8%)、「ネットブック」(11.9%)と続いた。
インターネットによる調査で、全国の15〜69歳の男女1200人が回答した。調査期間は8月31日から9月1日まで。
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