コラム
雇用に物価……まだまだ目が離せないニッポンの景気:藤田正美の時事日想(2/2 ページ)
リーマン・ショックから1年以上が経過したが、世界経済はどこまで回復したのだろうか。いまのところ中国やインドといった国が世界経済の“牽引車”となっているが、日本の景気先行きにはまだだま目が離せない状況だ。
景気の先行きから目が離せない
日本はいったんは抜け出したかに見えたデフレ状況がまた顕著になりつつあるのが気にかかる。今年の年末くらいには前年比4%くらいの消費者物価値下がりになるというし、需給ギャップも40兆円という試算が内閣府から出ている。民主党政権が成立して以来、麻生政権が決めた2009年度補正予算の見直しが進んでいるが、効果の小さい予算を組み替えるのは当然としても、そこにタイムラグが生じるのは避けられないから、景気にはマイナスの影響が出る。
もちろんそれだけではない。2010年度予算まで保てばいいが、今年度後半に息切れがしてくるようだと、第2次補正を組むことも必要になるだろう。そこをスピード感をもってやれないと、世界の景気の足取りがもたついているときに、再び日本だけ落ち込むという可能性も生まれてくる。景気の先行きからまだまだ目が離せない。
関連記事
- 鳩山政権の“アキレス腱”はどうなる
中小企業の借り入れについて「現代版徳政令」の導入を訴えている亀井大臣。3年間ほどの金利支払い、元金返済を猶予したらいいという持論だが、あまりにも愚策ではなかろうか。もし亀井大臣が徳政令にこだわり続けるのなら、鳩山首相は彼を更迭すべきかもしれない。 - もはや“ゆでガエル”現象なのか? 日本の人口問題
総選挙が告知され、8月30日の投票日に向け、熱い選挙戦が繰り広げられようとしている。「政権交代が実現するかもしれない」ということで政治家も浮き足だっているように見えるが、日本の人口問題をきちんと論じる政治家はどのくらいいるのだろうか。 - アレもコレも心もとない……日本経済の弱点は?
日本経済は「明らかに衰退している」といった声もあるが、日本が再び元気を取り戻すためにはどのようにすればいいのだろうか? 人口減や年金不安など、さまざまな問題を抱える中で、今、政治家が“断行”しなければならないことは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.