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なぜ同じような雑誌が出てくるのか? 柳の下にドジョウが3匹の不思議どうなる? 紙メディア(4/4 ページ)

「同じような雑誌が、書店で並んでいるなあ」と感じたことはないだろうか。『週刊ポスト』と『週刊現代』にいたっては、表紙までよく似ている。そこで『週刊現代』元編集長の元木昌彦氏が、総合週刊誌の歴史を振り返りながら、同じような雑誌が創刊される理由を語った。

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 なぜ後から出した雑誌の方が、よく売れるのだろうか。おそらく相手の良いところを真似て、新しいことを付け加えることで、何らかのプラスアルファーになるのだろう。ちなみに講談社ほどオリジナリティがない会社も珍しいのではないだろうか(笑)。例えば新潮社から写真誌『フォーカス』から創刊された。最初のころは苦労したものの、そこそこ部数が増えてきた。

 そのころ、講談社のある編集長にこのように相談された。「ウチでも写真誌を出したい。フォーカスは木曜日発売なので、ウチは金曜日に出す。しかし判型も含めて、全部同じように作る」と。そのことを聞いた私は「それはまずいんじゃないですか。判型は仕方ないとしても、中の作りも全部同じにするのはちょっと……」と心配したのだが、やがて講談社は『フライデー』を創刊した。

 雑誌というのは特許があるわけではないので、真似することに問題はない。やがてフォーカスを真似たフライデーが、あっという間にフォーカスの部数を抜いてしまったのだ。『フライデー』が最も売れたときの部数は200万部。『フォーカス』も200万部近く売れていたので、写真誌は2誌だけで400万部ほどに達していた。

 出版界では「柳の下にどじょうが3匹いる」と言われている。つまり3冊目までは大丈夫だということ。例えば勝間和代さんが当たると、同じようなモノが出版される。実はこれ……出版界の伝統なのだ(笑)。(続く

 →なぜ総合週刊誌は凋落したのか? 出版社を取り巻く3つの課題 (前編)

 →週刊誌の編集部で、こんな取材をしてきた(後編)

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