コラム
やはり鳩山政権は素人の集まり? 早くも出てきた迷走ぶり:藤田正美の時事日想(2/2 ページ)
今週はオバマ大統領が日本にやって来るが、米軍の普天間基地問題を決着させることは難しいだろう。大臣の不用意な発言などにより、波風を立ててしまったこの問題に対し、鳩山政権はどのように処理していくのだろうか。
鳩山政権は「アマチュア集団」
米国側にとって、外交で右往左往する鳩山政権は「アマチュア集団」に見えるかもしれない。そう見られてしまうと、鳩山首相がかかげる「東アジア共同体」についても、米国の理解や協力は得にくくなるだろう。アマチュアがこのようなことを言い出せば、老獪(ろうかい)な中国外交に絡め取られて、要するに東アジアに中国が覇権を持つ経済共同体ができるだけ、ということにもなりかねないからである。北アメリカ、欧州、東アジアという経済圏が成立し、ブロック経済になって相互に反発しあえば、その結果は世界経済危機の再来でしかない。
米国側が外交アマチュアの鳩山政権に対して、どのくらい寛容と忍耐をもって接するのか。その答えはおそらくオバマ大統領が離日するころにははっきりするだろう。
外交問題などよりも緊急の課題をたくさん抱えている日本。経済の落ち込みをどう防ぐのか、将来的な展望をどう切り開くのか、GDP(国内総生産)の2倍にも達しそうな公的債務をどう軽減していくのか。こんなときには、外交でできるだけ波風を立てないのが得策であるはずだ。しかしすでに波風を立ててしまったのが普天間基地問題(もともと総選挙で県外移設を唱えて沖縄で勝ったときに決まっていたのかもしれないが)。これをどう処理するのか。率直さが売りの鳩山政権だが、それだけで国民の支持を得続けることはできないのである。
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