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インタビュー

「アウトプットするほど至らない自分を認識した」――保田隆明が大学院に行く理由(前編)社会人大学院特集(2/5 ページ)

2007〜2008年にかけて、本誌で「時事日想」を連載していた保田隆明さんは、今、社会人大学院に通い、ファイナンスを学んでいる。順調にキャリアを積んでいた保田さんは、なぜ大学院に行くことにしたのだろうか。社会人が大学院に行く意義や、生活の実態について聞いた。

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大学院のかけ持ちはオススメできない

 早稲田のファイナンス研究科を選んだ理由は、科目数の多さだという。ファイナンスを学べる大学院は増えているものの、まだ限られており、IT系にはよくあるような単科の大学院は、ファイナンスの場合ないようだ。一流どころと見なされているのは早稲田と一橋。しかし早稲田の方が科目も、教授の人数も学生数も多い。「私立の経営を成り立たせようとすると、学生数を増やさなくてはいけない。そうするとおのずと科目が増えるんですね。トータルにファイナンスを学びたいと思っていたので、早稲田の方がいいと思って選びました」(保田さん)

 実は、保田さんは1年目の前期まで、早稲田の他にもう1つ、計2つの大学院に通っていた。ある大学の公共政策大学院に通っていたのだが、同時に2つの大学院に所属することは、その大学院の内規に違反することであり、残念ながら退学することになった。

 「どちらか選ぶ必要に迫られ、自分のキャリアはファイナンスということで、早稲田のファイナンス研究科を選びました。その大学にもファイナンス系の研究科はあるんですが、昼間の講義で学部卒の学生が多いところだった。ファイナンスの大学院に関しては、学部卒の学生が多いと違和感を覚えるかなと思い、実務を経験した社会人を集めているところに行きたかったんです」(保田氏)

 ちなみに、公共政策大学院に行こうと思った理由は「仕事上の必要に迫られて」。ここ何年かは、日銀のゼロ金利の緩和、為替の状況、中央銀行に関する諸々など、本来は専門外である経済政策や金融政策の分野についてもコメントを求められることが多くなったためだ。

 「そこは学んでいなかったので、これはまずいということで勉強したかったんです。行こうと思った公共政策大学院に経済政策のコースがあったのですが、辞めなくてはいけなくなって残念でした。2つの大学院に行こうと思ったときは、仕事はほぼ辞めて2年間はアカデミックに没頭しようと思っていましたし。でも、今、振り返ると1年目の前期はなんとか2つこなせましたけど、後期以降は絶対無理でしたね。自分の経験からも、大学院の掛け持ちはお勧めしません(笑)」

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