あと何時間動いてくれるの? パワー残量を教えてくれる時計:菅野たけしのウォッチWatch(3/3 ページ)
終電の時間を気にしながら飲んでいたのに、「時計の針が止まっていた」といった経験をしたことがある人もいるかもしれない。今回は、時計のゼンマイが、あと何時間くらい残っているのかを知らせてくれる時計を紹介しよう。
国産初のパワーリザーブインジケーター付の時計は?
ところで国産時計で初めてパワーリザーブインケーターを搭載したのは、1955年に誕生した国産初の自動巻腕時計「セイコー・オートマチック」だ。なぜ最初の自動巻に巻残量計が付けられたかといえば、初期の自動巻は、現代と比べると巻上げ効率がそれほど良くなかった。腕に付けているだけでは、十分なエネルギーが蓄えられていなかったので、たまに手巻きでアシストしてあげる必要があったのだ。また当時は手巻き、自動巻にかかわらず、高精度をキープできたのはゼンマイをいっぱいに巻いた状態からせいぜい1日。
ゼンマイが完全に解ける直前になると、精度にも若干バラツキが見られた。そこで「そろそろエネルギーが切れるよ」というメッセージをオーナーに与えるのと同時に、高い精度を維持するために、1日1回リューズを巻きゼンマイをフルチャージすることが推奨された。
写真の時計は、残量表示計(0−12−24−36)からも分かるように、満タンで36時間(1日半)動く機能を有している。
一度巻けば長期間動き続けるスゴイ時計
最新モデルの中にはエネルギーを蓄える主ゼンマイを1つでなく、ダブル(2個)で設けることによって8日巻き、10日巻きといったロングパワーリザーブが登場している。クルマでいえば、1回ガソリンを満タンにすれば長い距離を走行できるタイプ。いわば“燃費”のいい時計といったところか。
写真の時計は、8日間パワーリザーブを備えたパルミジャーニ・フルリエ「カルパ XL エブドマデール」。手巻き、18Kローズゴールド、472万5500円。
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