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投資判断の引き下げや商品市況の過熱感から手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

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<NYダウ>10332.44▼93.87

<NASDAQ>2156.82▼36.32

<為替:NY終値>88.96-89.02

投資判断の引き下げや商品市況の過熱感から手仕舞い売りに押されて軟調

 特に主要な経済指標の発表などはなかったのですが、原油や金が目先的な利益確定売りに押されて軟調となっていたことや半導体関連銘柄に投資判断の引き下げが相次いだことなどから、売り先行となりました。相場全体に過熱感が出ていたこともあり、利益確定売りを急ぐような場面もあり大きく下落となりましたが、利益確定売りが一巡し底堅さが見られると値ごろ感からの買いも入り戻り歩調となって引けました。一時ダウ平均も大幅下落となる場面もあったものの、最後は軟調という水準まで戻しましたが、ナスダック指数は半導体株の下落もあって大幅安となりました。

 指数は大きく下げる場面もあったのですが、まだここまでの上昇の反動という状況でセンチメントに変化が出たわけでもなさそうです。さすがに目先的な過熱感も強く、いったん上値の重さが見られると買い上がる材料がないところでは売りがかさむということのようです。それでも原油価格が下落して石油株が売られ、相場全体の調整のなかディフェンシブ銘柄が買われるなど素直な相場展開となっており、強含みの状況は変わらないものと思われます。過熱感が出たところでは調整もあるのでしょうが、景気回復=株高ということには変わりないものと思います。

 個別には投資判断の引き下げのあったインテルやテキサスインスツルメンツ(TI)は大幅下落、原油価格の下落でシェブロンやエクソン・モービルも軟調となりました。同様に商品市況が上昇一服となったことでアルコアなどの素材株やキャタピラーなどの景気敏感株も利益確定売りに押されて軟調となりました。一方、ジョンソンアンドジョンソンやコカコーラといったディフェンシブ銘柄が堅調、ウォルマートも堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は特に売り材料が出たというわけでもなく、増資ラッシュを急ぐ動きや持高調整の売りに押されて大幅下落となりました。TOPIXが850と言う節目を割り込んだことで売り急ぐ動きもあったものと思います。為替も若干円高に振れるなど「円キャリー取引」の解消なども見られ、下げを加速する要因となったものと思います。ただ、業績の悪化や景気の悪化を嫌気したというよりはあくまでも持高調整の売りに過ぎず、需給要因での売りであり、どこで持高調整の売りが止まるのかが注目されます。

 米国市場は軟調となったのですが、昨日の大幅下落で米国株安は織り込まれているかどうかが注目されます。ADR(米預託証券)やシカゴ市場の日経平均先物を見ると、織り込まれていないようですが、ここまで日本独自の要因で売られており、米国株安は買い要因とはならないものの、昨日の大幅下落の反動は期待出来るものと思います。週末と言う事で売られ過ぎた銘柄には買い戻しも見られるものと思われますが、ここまでの調整の要因が持高調整だとすれば、まだ今日も続く可能性もありそうで、上値を押さえる展開となるのでしょう。ただ、足元の業績が回復しているにもかかわらず割安に放置されている銘柄、あるいは業績回復を織り込んでいないようなものの反発は期待しても良いのではないかと思います。

 日経平均はかろうじて節目と見られた9500円水準で下げ止まりましたが、TOPIXは節目と見られた850から60の水準を割り込みました。TOPIXはちょうど5月に空けた「窓」を埋める形で、底入れとなる可能性もありますが、逆に850〜60の水準を上値に下値を探る展開になる可能性もありそうです。ただ、TOPIXは今月は13営業日のうち2日しか前日より高い日がなく、昨日のような大きな下落が「セリングクライマックス」となる可能性もありそうです。本日の相場で、買戻し主体だと思いますが、若干でも切り返すかどうかで雰囲気も変わるものと思います。

本日の注目点

◇白川日銀総裁会見

◇マザーズ上場:エフオーアイ(6253)

◇10月の全国コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)

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