検索
速報

ドバイの信用不安が後退、住宅指標の好転や商品市況の上昇もあって大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

<NYダウ>10471.58△126.74

<NASDAQ>2175.81△31.21

<為替:NY終値>86.67-86.73

ドバイの信用不安が後退、住宅指標の好転や商品市況の上昇もあって大幅高

 朝方から金先物価格が高値更新となったことや住宅指標が予想外に好転したことに加え、ドバイの信用不安が金融不安に繋がらず懸念が後退したことから大幅高となりました。自動車販売も新車販売台数が年率換算で2カ月連続で1000万台を超えるなど底入れ感が強まり、景気の順調な回復を確認、個人消費や雇用の回復期待も高まって終始堅調な地合いが続きました。企業業績の回復が経済指標の好転に繋がってきていることが確認され、ますます先行きにも楽観的な見方が強まったものと思われます。

 ドル安がうまい具合に企業業績の回復に結びつき、そして超低金利政策継続をはっきりと打ち出していることで、住宅関連の指標も好転しているようです。景気回復は確実なものと考えられていることで、相場が崩れても大きな崩れにならないということなのでしょう。今後は経済指標の発表に一喜一憂しながらクリスマス商戦、年末商戦の状況が気になるということになるのでしょうが、商品市況の上昇などを見ていると投機的な資金など、「お金の流れ」が順調に回転しており、強含みの展開が続くものと思われます。

 個別には金先物価格が高値を更新したことを受けてニューモント・マイニングが大幅高となるなど金鉱株が高く、原油価格も高いことから、シェブロンやエクソン・モービルといった石油株も高くなっています。ドバイの信用不安は後退したのですが、金融株はさえないものが多く、バンク・オブ・アメリカは小幅高となったものの、JPモルガン・チェースやアメリカン・エキスプレスは軟調となりました。商品市況の好転、景気回復期待の高まりからアルコアなどの素材株やキャタピラー、ボーイングといった景気敏感株も高く、インテル、IBMやHP(ヒューレット・パッカード)などハイテク銘柄も高くなりました。ホーム・デポが大幅高となるなど個人消費関連銘柄も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が堅調となったにもかかわらず前日の大幅高の反動もあって、軟調な展開となりました。ただ、前場の引け直後に臨時の日銀金融政策決定会合の開催が伝えられると金融緩和策への期待が高まり一気に買われ、大幅高となりました。高値圏でのもみ合いの後も買戻しなども見られ高値引けとなるなど金融緩和策への期待が強い相場展開となりました。為替も円安に振れたことで、輸出企業などの見直し買いも見られました。

 昨日発表された日銀の金融緩和策に対しては為替の動きを見る限りでは拍子抜け、失望感も出てくるのではないかと思います。量的緩和やゼロ金利など思い切った政策までも期待した向きも多く、米国市場は大幅高となりましたが、上値の重い展開となって来そうです。ただ、逆に言えば、これ以上の急激な円高と言うことは考え難く、円高を嫌気して売られた銘柄でも売られ過ぎ感が強いものは堅調な展開となって来るのではないかと思います。海外市場で金融不安が薄れたことも株価の支援材料となり、商品市況の上昇も素直に資源株などの上昇に反映されるものと思います。

 日経平均は金融緩和の期待感だけで上値の節目と見られる9500円から600円水準まで一気に戻りました。ここから一段高となるには政策面からの支援がないと厳しいのではないかと思います。金融緩和策も期待はずれに終わった感もあり、為替への反応も限定的となっているので、日経平均の9500円から600円、TOPIXでも850〜60と言う節目を抜けて上昇するには更なる金融緩和や円安、経済対策が必要ということでしょう。ただ、下値の底堅さ、日経平均9000円水準を割り込まないとのコンセンサスが出来たものと考えられ、また、ファンドなどの持高調整の売りも止まったとすれば大きく下押すこともなく、次の対策を待ちながら指数はもみ合いとなりそうです。

本日の注目点

◇須田日銀審議委員が講演(甲府市)

◇11月のマネタリーベース(日銀)

◇米地区連銀経済報告(ベージュブック)

◇EU財務相理事会(ブリュッセル)

◇決算・5−10月期:伊藤園(2593)

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る