文部科学省によると、小学生が図書館で借りる本は年間35.9冊だが、大人は貸本をどのように見ているのだろうか。子どものころ、公共の図書館で本(雑誌やマンガを除く)を借りたことがありますか、と聞いたところ「よくあった」(37.3%)と「たまにあった」(41.7%)を合わせると、79.0%の人は図書館を利用した経験があることが、アイシェアの調査で分かった。
また大人になってから図書館で本を借りることがあるか、と聞いたところ「よくある」(17.6%)と「たまにある」(30.7%)を合わせても、48.3%と半数にも満たなかった。「大人になると図書館で本を借りる機会がぐっと減るようだ」(アイシェア)
ただ男女別で見てみると、男性で図書館を利用している人は37.7%だったが、女性は60.7%にも達した。また40代では20代と30代を10ポイント近く上回る54.7%が、図書館で本を借りているようだ。また子どものころ、図書館で本を借りることが「よくあった」人の65.5%は大人になってからも「ある」と回答。「子ども時代の図書館利用頻度が高いほど(「まったくなかった」人では27.9%)大人になってからも積極的に利用する傾向があった」(アイシェア)
本の有料レンタルサービスを利用したいですか?
本の有料レンタルサービスを利用したいという人はどのくらいいるのだろうか。67.8%の人は「特に利用したいと思わない」と回答。しかし「とても利用したい」(6.3%)と「一度は利用してみたい」(25.9%)を合わせると、ほぼ3人に1人が「利用したい」とした。男性(28.5%)より女性(36.5%)、また20代・40代(30%前後)より30代(35.0%)で積極的な傾向が見られた。
ちなみに、公共の図書館を「とても利用したい」人では43.4%、「一度は利用したい」人では31.8%が有料サービスも「利用したい」と答えたが、公共の図書館を「特に利用したいと思わない」人では7.8%にとどまった。「無料サービスの利用意向が高い人ほど有料サービスにも理解を示していた」(アイシェア)
インターネットによる調査で、20〜40代の男女528人が回答した。調査期間は11月16日から11月19日まで。
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