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信用収縮懸念や円高を嫌気して大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

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明日の相場雑感

 ドバイに続き今度はギリシャの格下げが伝わり、為替が円高に振れたことから、大幅下落となりました。実際には格下げが日本企業に与える影響は軽微だと思いますが、欧州発の信用不安が世界的な信用収縮につながらないという保証もなく、リスクに敏感になっている相場では厳しい反応となるようです。欧米の株式市場が大きく下落したことで反応したものと思われますが、リスク回避で円が買われたとすれば、その円が債券に流れれば金利が下がり、株式に向かえば株が上がることのなるのではないかと思います。

 米国でもバブルを懸念する動きがあるようですが、バブルは本当にいけないことなのでしょうか?中国を見ているとうまく政府がバブルをコントロールして一番に景気が回復、その後も順調に経済の成長が続いているように見えます。いろいろと悲観的な見方や穿った見方もありますが、実際に中国ではものが売れ、人々(一部かもしれませんが)の暮らしも良くなっていることは確かではないかと思います。

 日本では「安いものが良い」とか「お金を使わない方がいいこと」のように思われて、これだけ金利が低いのにせっせと貯金ばかりしているような気がします。事業仕分けではないですが、どんどん国内の市場が萎縮し、小さくなってしまっているような気がします。1ドル=70円になるとか、日経平均が6000円まで下がるとか言う意見もあるようですが、デフレ対策としてバブルとなるような政策を取れば、決してそのような悲観的な動きにはならないと思います。

 とにもかくにも、デフレ脱却と言うことを考えれば、国の借金もお金の流れも「良い方に」動くのではないかと思います。米国の回復過程と同じ様に、円安政策を取り、まずは新興国など経済成長の著しいところで稼げる企業が稼ぎ、そうした企業がリストラの心配がなくなれば国内の雇用や仕入れも増え、内需も拡大、国内企業も潤ってデフレから脱却、個人消費も伸びるということになるのではないかと思います。とにかくバブルでも何でもお金が流れるようにすることが大切なのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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