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コラム

広告シーンを変える“キャラクター”起用の現状(1/4 ページ)

近年、クルマ業界などさまざまな分野で“キャラクター”が広告に活用されるようになっている。キャラクターを起用する広告はどのくらいの規模まで広がり、どのように展開されているのか。新マーケティングコミュニケーション研究会のシンポジウムで、鷹野義昭テムズ社長と陸川和男キャラクター・データバンク社長がその実情を語った。

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 アニメや漫画などがあふれるコンテンツ大国、日本。しかし、アニメなどのキャラクターグッズなどの人気は高いものの、一昔前まではキャラクターを使った広告については子ども向けの商品を除いて、それほど積極的には行われてこなかった。その状況が近年では徐々に変化し、クルマ業界などさまざまな分野でキャラクターが広告に活用されるようになっている。

 キャラクターを広告に起用するようになった背景にはどのような事情があるのか。また、キャラクターを使った広告はどのくらいの規模まで広がり、どのように展開されているのか。12月8日に行われた新マーケティングコミュニケーション研究会のシンポジウムでは、マーケティング会社テムズ社長の鷹野義昭氏やキャラクター・データバンク社長の陸川和男氏らがその実情を語った。

テムズ社長の鷹野義昭氏(左)、キャラクター・データバンク社長の陸川和男氏(右)

キャラクターを起用しているCMは7.5%

鷹野 私たちテムズというマーケティング会社では、広告戦略の立案を20年ほどやってきました。テレビCMに関して、今まで1000素材以上の調査分析や戦略立案をしています。今回はテレビCMなどの広告におけるキャラクターの活用ということをテーマに、当事者の立場からはちょっと離れたところから話していきたいと思います。

 まず現状、テレビCMでキャラクターがどのくらい使われているのかを見てみたいと思います。下図は2008年度に関東キー局で流されたCMに占めるキャラクター起用の割合を示したものです。1年間で2万3000素材くらいあるのですが、その中でタレントが出ているものが34.7%です。では、アニメなどのキャラクターはどうなのかというと7.5%を占めています。

 ただ、この数字はあくまで素材数に占める割合ということなので、どのくらいの量が出稿されているかといったものを掛け算していくと、キャラクターやタレントを起用したCMのボリュームは大きくなっていくのではないかと思います。


CMに占めるキャラクター起用の割合/2008年度

 次にキャラクターが起用されているCM、7.5%の内訳を見てみたいと思います。すべてのCMをチェックするのは難しかったので、無作為抽出で調査したところ、各企業がオリジナルで作っているキャラクターは4.7%を占めていました。意外なことに、既存のキャラクターを使っている比率は1.7%にとどまっています。

 この数字を10年ほど前と比べるとどうなるのか。2000年のテレビCMを見ると、キャラクターを起用して比率は4.5%に過ぎませんでした。それを見ると、ここ10年でキャラクターを活用する企業が増えている。特にオリジナルキャラクターを活用する企業が非常に増えていることが分かると思います。


キャラクター起用比率・2000年との比較
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