コラム
得票率2%以下の党が言う、「連立だから対等である」の詭弁:藤田正美の時事日想(2/2 ページ)
政権交代はしたものの「鳩山政権が苦戦している」と感じている人も多いはず。最も大きな原因は国民新党の亀井大臣に振り回されているためで、もしこのままの状態が続けば鳩山政権に失望する有権者が増えていくかもしれない。
空虚な時代にしてはいけない
友愛を掲げる鳩山総理だけに、強引な政権運営はやりにくいかもしれない。それに政治資金問題もまだ尾を引いている。検察の捜査が終了しても、来年の通常国会では自民党から追及されることは間違いない。しかし、だからこそ鳩山総理は右顧左眄(うこさべん)すべきではない。むしろ今は、政治的信念を高く掲げることによって、国民に訴えかけることこそ必要である。もしここで政権を維持することにきゅうきゅうとしてしまえば、国民は民主党政権に失望し、肝心の来年の参院選も危うくなってしまう。
もっと恐ろしいのは、自民党に失望した有権者が民主党にも失望してしまうことだ。そうなったら二大政党制どころか、政治的無関心が日本社会を支配してしまい、政治的にはただただ混乱ということにもなりかねない。そういう「空虚な時代」には、極端なナショナリズムが顔を出す危険性も高まるのである。
関連記事
- 鳩山政権はこの試練を乗り越えることができるのか
日本にデフレという“妖怪”が、再び現れた。さらに円高により、「デフレが加速するかもしれない」といった懸念が高まっているが、鳩山政権はそれほど警戒心が強くないのではないだろうか。 - 人口は増える方がいいのか、減る方がいいのか
世界的に人口を維持するには、出生率が2.1必要だといわれているが、日本は1.3前後で推移。一国の経済を考えれば「人口が減る」ということは大問題であるのに、なぜ政治家はこの問題をあまり取り上げないのだろうか。 - もはや“ゆでガエル”現象なのか? 日本の人口問題
総選挙が告知され、8月30日の投票日に向け、熱い選挙戦が繰り広げられようとしている。「政権交代が実現するかもしれない」ということで政治家も浮き足だっているように見えるが、日本の人口問題をきちんと論じる政治家はどのくらいいるのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.