明日の相場雑感
「大発会から4日目の暴落」となりませんでしたが、為替が円安に振れた割りには手仕舞い売りに押されて上値の重い展開となりました。ここまで買われていたものが売られ、売られていたものが買われるといった状況で、その中で為替が円安となっているところを見ると、円キャリー取引の動きがあるのかもしれません。また、逆に為替も含めた「ロング−ショート戦略」を手仕舞う動きが出ている可能性もありそうです。
以前にもこのコラムで述べたこともありますが、相場には「季節性」と言うものが見られることがあります。また、「デジャビュ(既視感)」と言われるように「いつか見た動き」と言うこともままあることで、一概に以前起きたことを「過去のことだから」と切り捨てるわけにはいかないのです。ただ、過去のことが「同じ様に」起こることはあっても「全く同じ」と言うわけには行かないのも事実であり、どこまで許容するかと言うことも重要になってきます。
チャートを見るときでも、こうした「過去、こういうパターンではこうだった」と言うことで見るのですが、あまり枝葉末節にこだわっていると見誤ることが多くなります。また、教科書的にローソクの形にばかりこだわっても相場の本質が見えていないと間違えることが多くなってしまいます。「季節性」を考えるときでもチャートを見るときでも、「何故そういう季節性が存在するのか」を知ることが必要ですし、チャートを見るときにも「何故、そのような形で高値をつけたことになってしまうのか」を考えることが必要なのです。
先日来このコラムで述べているように、そうした「何故」と考えて相場を見ることで、相場の本質が見えて来るもので、相場の本質が見えてくれば、誰が何をしている相場なのかが分かり、そうすれば、自分が何をすればいいのかが見えて来るのではないかと思います。そうして、しっかりと相場を見ていればある程度のことでは慌てずに対処できるのではないかと思います。
清水洋介氏のプロフィール
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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