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“コシヒカリ”から“みどり豊”へ、農業をやりたくなるお米郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

温暖化の影響で、高品質のコシヒカリを作ることが難しくなっている。そんな中で登場したのが、高温による品質低下の影響を受けにくく、収量も多い新品種「みどり豊」だ。どのように作られているのだろうか。

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高評価を実らせたみどり豊

 坂嵜さんはサントリーで花事業を立ち上げ、世界的なヒット「サフィニア」を生んだ育種家として有名。今では、花だけではなく、イチゴや野菜の新品種開発にも携わっている。2003年に福島県でたった2本のコシヒカリの突然変異から生まれたみどり豊は、5年をかけて選抜・固定され、2008年に種苗登録申請。その開発者と同窓という縁で関わりだした。

 2009年、滋賀県東近江市大沢町の3つの田んぼ0.8ヘクタールで実証試験栽培。栽培特性や収量、それにも増して食味評価が悪ければやめようと考えていた。

 収穫量は4.8トン。10アールあたりの収量は、コシヒカリ8俵に対してみどり豊は10俵。問題の味はどうか? はなどんやアソシエのWebサイトには絶賛の声が寄せられた。とてもここで引用できる量ではない。「普段食べているお米に比較していかがでしたか?」の問いには、「ややおいしい」「おいしい」という答えが52%(「同じくらい」を含めると89%)、「総合的な評価でおいしい」という答えが54%(「ややおいしい」を含めると83%)という結果となった。特徴としては、冷めてそのままでも、暖めなおしても、冷凍してレンジにかけてもおいしかったという意見が多かったという。

 さらに全国の米農家が競う食味分析鑑定コンクールへ3サンプル出すと、コシヒカリなどブランド米2888サンプル中の60サンプルに選ばれ、特別優秀賞。2010年は同町の集落で20ヘクタールの栽培を目指すという。

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