明日の相場雑感
米国株が大幅下落となったことや昨日の大幅高の反動から大幅下落となりました。昨日の上げを全て帳消しにして節目と見られる水準で下げ止まったものの、軟調となりました。決算発表がピークを迎える中で決算動向に敏感に反応する動きは見られたのですが、センチメントが下向きとなっていることで、どちらかと言うと悪い決算には敏感に、好決算には出尽くしとして反応するものが多く。指数は見切り売りも嵩み大幅下落となりました。
世界的に景気回復に対して疑心暗鬼になって来たようです。バブルを退治する動きは良いのですが、バブルなのか景気の回復なのかわからないところでも押さえにかかっているような感じです。慎重な見方はいいのですが、株式や商品などの上昇がバブルとみなされ、「バブル=悪」と言う図式で引き締めているのだと思います。リスクを取らずに「おいしいところ」だけを取って行くような一部の米金融機関のやり方は問題ですが、十把一絡げに考えるのもいかがなものかと思います。
ただ、こうした「バブル退治」の動きも「バブル」に踊らされることなく、地道に稼いでいるような企業の株価には正当な評価が与えられるものと思われ、割安感が強まる銘柄も散見されるものと思います。指数や「米国株が安いから」などと何も考えずに追随するよりは業績面と株価の位置を良く考えて売り買いすることが、こういうときこそ大切なのだと思います。買える水準なのか売らなければならない水準なのか、常に考えながら指数に惑わされないようにしたいものです。
指数の動きが実質的に経済の動向を示しているというよりは指数の動きは、市場のセンチメント、つまり、投資家や投機家のセンチメントを示しているケースが多く、投機家が多い市場が割高感が出ていても、投資家にとっては買える株が多く見られるケースや逆に投資家は売らなければならないところでも反発を狙って投機家は買えるようなケースもあると思います。自分の立場と相場参加主体なども常に把握しておきたいものです。
清水洋介氏のプロフィール
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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